インタビュー

The Reindeer Section

グラスゴーのミュージシャンシップから生まれた豪華ユニット、レインディア・セクション


 そこは華やかなボール・ルーム。賑々しくくだけた会話の数々はいつしかメロディーとなり、背後に大所帯のバックバンドを従えることになる。それこそがグラスゴーのスーパー・グループ、レインディア・セクション。スノウ・パトロールのゲイリー・ライトボディの呼びかけに集まったのは、同グループのジョニー・クイン、ティーンエイジ・ファンクラブのノーマン・ブレイク、ユージン・ケリー、モグワイのジョン・カミングスなどなどなど。その名前を挙げるだけでコラムも埋まってしまうくらい錚々たる人数、そしてメンツ。しかも、一度ならず二度までもアルバムをリリースするとなるとこれは大変。しかも人数を増したセクションの面々による最新作『Son Of Evil Reindeer』が登場だ。

「ちょうど去年の年始にみんなのスケジュールに余裕があったから、とてもラッキーだったよ。1枚目の時も同じ状況だったんだ。クリスマス直後で比較的余裕があるのかもしれないね」(ゲイリー・ライトボディ)。

 つまりは、それが宴会のコツというわけ。しかし、楽しいパーティーの裏では並々ならぬ苦労もある。

「疲労。そして白髪。お金と時間の限界に気づかせてくれたよ」(ゲイリー)。

 いやはや、お疲れさま。だからこそ、〈セクション入り〉した仲間たちは、ゲイリーへの賛辞を惜しまない。

「目的意識がはっきりしていて、働くことが大好き。尊敬に値する人だね」(ノーマン・ブレイク)。

「最高のサッカー選手。とてもやさしくて、とても太っ腹。決してケチケチしない非常に熱い男だよ」(ジョニー・クイン)。

「すごくいい人で、大好きだよ。ただ、あの背の高さだけは気に食わない!」(ユージン・ケリー)。

〈企画モノ〉というなかれ。そこはスコットランド。その誠実な人柄は風に乗り、健やかなポップ・ソングを運んでくれるのだ。

「必要であれば誰もが協力を惜しまない。スコティッシュやアイリッシュのバンドはフレンドリーで、とにかく音楽が鳴っている場所を駆けずり回るだけでハッピーなんだよ」(ゲイリー)。

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掲載: 2002年06月27日 12:00

更新: 2003年02月13日 12:26

ソース: 『bounce』 233号(2002/6/25)

文/福田 教雄