インタビュー

WORD

ストレートなロック感とグッド・メロディーを湛えたファースト・アルバム『neutral』完成!


 これまでに2枚のシングルをリリースし、独自の詞世界と複雑に展開するサウンドで、強力なインパクトを残したWORD。己の道を歩み続ける彼らが、ファースト・アルバム『neutral』を完成させた。

「シングルは日本語のタイトルだったけど、何か〈固いイメージ〉がついて。メンバーはそういう感じじゃないし(笑)、英語だと柔らかくなるかなって。ちょっと半端、だけどどこにも属さないっていうのは僕らに合ってるかなって」(小島真史、ヴォーカル)。

 オルタナティヴ、エモ、パンク、ニューウェイヴ、たしかにそういったキーワードがサウンドのそこかしこから浮かんでくる。しかし、そのどれでもないWORDの音はまさに〈neutral〉。それに言葉の選び方もまた独特だ。

「深読みもできるし、音で聴いてくれよって感じもある。昔のハードコア・バンドは、独特な言葉の使い方をするのが多かったから、そこからきてますね。そういうバンドが好きだったから、その感覚が残ってるんだと思います」(小島)。

 これだけ音の主張がはっきりしてるバンドゆえに、曲の構成などにも時間がかかるという。

「本当は1曲に何か月もかけたい。でも今回はそこまで時間もなかったし。最初、ヘンなとこにハマッちゃって。だんだん〈違う! もっと素直になろう〉って気づいてきて。そこからは良くなりました。だから今回はパッと聴きストレート。自然とそういうふうになりました」(吉野功、ドラムス)。

 緻密な曲展開とストレートなロック感、あとのことを考えないテンションの高さ。汗と感情の直結が、曲の端々から伝わってくる。そこにグッド・メロディーがあるから、彼らのサウンドをポップに聴かせるのだ。

「わかりやすいほうが若い子は好きだろうけど、パッと聴いて自分で判断して欲しい。そんなわかりづらいものではないしね」(吉野)。

「明るい気持ちで聴いてくれたほうがいいな。この新作から、WORDの柔らかい部分やハッピーな部分を探して欲しいです」(小島)。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2002年09月05日 10:00

更新: 2003年02月13日 12:09

ソース: 『bounce』 235号(2002/8/25)

文/土屋 恵介