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インタビュー

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herb 「the name of father」プロモビデオ 

 10月25日に、herbのデビューアルバムとなる『refugees won't speak』が発売される。中野学而、原慎一郎からなる福岡出身のこの2人組ユニットは、2000年にLiquid Roomのレーベル、liquid recordingsより初の契約アーティストとしてデビュー。これまでにタワーレコード限定で4枚のシングルと1枚のリミックス・ミニアルバムを発売している。

ビートルズを彷彿とさせる、ポップだけれどどこか偏執的なメロディーに、ダブ、テクノ的アプローチを見せるなど、繊細な面と貪欲な面の両方を併せ持っている彼ら。このアルバムを聴くと、情報量の多さを見事に咀嚼してみせつつ、自己の世界観に閉じこもっていない、なによりもポップであることを心がけているのがわかる。この“ポップ”であることへの執着心は彼らを理解する上で重要なキーワードとなりそうだ。それは、メンバーを代表してインタビューに答えてくれた中野学而のこんな発言からも伝わってくる。

「ポップスってジャンルじゃないような気がするんですよ。大衆性がありながらも、ものすごく個人的な深いものを表現できるじゃないですか。だから僕はボアダムスも遠藤ミチロウもポップスだと思って聴いてます」

また、メロディーについての意識をたずねてみると

「メロディーに対する意識は、もう世界で一番強いんじゃないですかね(笑)。本当にメロディーは大事だと思ってます。メロディーがあるからこそ曲ができると思っていますね」

とのこと。決して「マニア向け」には収束したくないという、リスナーに重点を置いた思いが伺える頼もしい発言である。

これまでにリリースされた作品はすべてデザイナー/イラストレーターとして海外からの評価も高い若野桂がジャケットを担当している。

「いつも考えて表現しようとしていることが、ものすごくいびつで危ないんですよ(笑)。それで、思いついたことをそのまま表現するのは危険なので(笑)、なるべくポピュラリティーのあるものを届けたいという気持ちがずっと働いていたんです。それはジャケットに関しても同じで、若野さんの絵を見せてもらったときに『これだ!』と思いましたね」

本アルバムには、前述の若野桂をはじめ、そうそうたる顔ぶれのアーティスト達がゲスト参加している。DRY&HEAVYから七尾茂大とPata、DRY&HEAVY CONNECTIONの内田直行、54-71のBOBO、東京スカパラダイスオーケストラの茂木欣一、そして松崎ナオ。これだけの豪華かつ多彩なゲスト陣を招いていながら、そのゲストたちに媚びることも食われることもなく、アルバムではまぎれもなくherbのカラーが表出している。スタイルやジャンルでは括ることの出来ない新しい世代の“ポップス”が、今まさにここから誕生しようとしている。

herbのこれまでの作品を紹介

カテゴリ : ニューフェイズ

掲載: 2002年10月23日 17:00

更新: 2007年06月01日 18:18

文/bounce.com編集部