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インタビュー

Reef

多くの新曲を盛り込み、バンドの〈今〉を伝えるベスト・アルバムが登場!!


電話のコール音、ガチャ、「ぼくが出る~」と言う子供の声と受話器を取りあげる母親の声。遠ざかる子供の泣き声に替わって、ようやくの男の声が挨拶した。

「ウチの坊主が電話を取りあげられたって泣いてるよ(笑)。さて、どうだい、そっちの調子は?」。

 声の主は2児の父親にしてリーフのヴォーカリスト、ゲイリー・ストリンガー。UKロック・シーンにおいてすっかり実力派としての腕力を蓄えてきたリーフは、新曲5曲とUKチャートでトップ30入りしたシングル9曲をコンパイルしたベスト・アルバム『Together, The Best Of...』をリリースしたばかりだ。しかし、ベストといって侮るなかれ。本作に収録された新曲は、バンドが安定した波に乗っていることを伝えるには十分な仕上がりだ。オープニングの“Give Me Your Love”なんかは、同タイトルのカーティス・メイフィールドのナンバーを思わせるファンキーなロックンロール。

「オレたちは最初っからR&Bバンドを自認してたくらいリズムで勝負するロックンロールをやってきた。だからあの曲はそこへ真っ直ぐ立ち返った曲なんだ。あのリフができた時、そう直感したね」。

 そのほかにもヴォーカル・エフェクトが印象的な“Just Dropped In”や、「シンプルで最高のギターのリフにベースとドラムとヴォーカルが入ってくる、その瞬間が最高なんだ」と、ゲイリー自身お気に入りの“Stone For Your Love”など、そのどれもが彼ららしいロックンロールのダイナミズムに満ちて溢れている。

「オレたちのサウンドは70年代のロックと比較されることが多いけど、それには正直うんざりなんだ。90年には、オレはたった16歳だったんだぜ。オレたちはライヴ・バンドだけに〈今を生きるバンド〉って思いが強い。毎晩ライヴを、その瞬間を生きてるって思いが強いんだ」。

 そう、本作において新旧とり混ぜて並んだ力強いナンバーには、まさにリーフのその時々の〈今〉が凝縮されている。そして、ここからは彼らの真っさらな道が、明日へ向かって力強く延びているのだ。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2002年11月07日 17:00

更新: 2003年02月13日 12:11

ソース: 『bounce』 237号(2002/10/25)

文/村尾 泰郎