乙葉

名曲と呼ばれるポップスが持つ普遍性を十二分に備えたアルバム『OtohaCD vol.2』!

「コンビニに置いてあったのを友達が見て、DVDと間違えたって（笑）」――今年の5月、ファーストCD『OtohaCD Volume.1』がリリースされたときのエピソードなんだけど、やはりOtoha（乙葉）の場合、グラビア・アイドルや眠い系キャラ（本人談）が際立ったTVタレントとしてのイメージが強い。そんなこともあって、彼女が〈歌う〉ということに関しては、少々高をくくってた方も多いんでは?　が、しかし!　その〈Volume.1〉の内容ときたら……キャラクターを過剰に強調させるものや、楽曲の評価を歌い手の人気だけに依存するような類ではなく、丹念に作り込まれた、あくまでもニュートラルにシングされるユニヴァーサルなポップス（なんじゃソレ?）集ではないですか!　さて、そんな〈Volume.1〉はほとんどがカヴァー曲で占められていたわけだけど、このたびシングル“一秒のリフレイン”をはさみ、待望の全オリジナル楽曲によるアルバム『OtohaCD vol.2』が到着!

「わたしがMCのアシスタント務める音楽クイズ番組で、出会ったアーティストの方々に〈曲を作ってもらいたい〉っていうことをずっと前から言ってて、それが叶った形ですね」といったわけで、本作にはNORTHERN BRIGHT、キンモクセイ、堂島孝平、yanagimann（ケツメイシ）、BEGIN、What's Love?などなどが携わり、〈ポップ〉の名のもとにロックンロール、ディスコ、レゲエ……などさまざまなスタイルがばらまかれ、、アップ～ミディアム～スロウと多彩な色合いの楽曲が並ぶ。

「ホントにイイ曲ばかりでうれしいです。レコーディングもすごく楽しかったですし、参加したみなさんも楽しくやっていただいたみたいです」。

　イイ曲……たしかに。しかし、なんといってもそれら多彩な楽曲のド真ん中にドンッと構えるOtohaの歌がイイ! 〈ニュートラルにシングされる……〉と冒頭に述べたとおり、決して強烈な刺激を伴って届けられるものでもないし、かといって〈癒し〉に徹したものでもない。じんわりと、気付いたら効いている感じ……。

「うれしいですね。特効薬というよりも漢方薬?　眠気はない感じですかね（笑）」。

　そんな本作を完成させたことによって、彼女の歌手としての自信や意欲も、かなり上がったよう。

「もっと歌える場が増えたらなって思います。むしろ歌のお仕事、3分の2ぐらいは歌手として活動ができたらいいなあと思います。レコーディング・スタジオに行くのも楽しいし、いまはアルバムのレコーディングが終わっちゃってさみしいですね。次作のレコーディングがいまから楽しみです」。