Blue
「サイモンを見て〈コイツ、マジでカッコいいよなぁ~〉ってつくづく思った覚えがある。そう思うだろ? それに一流のソングライターに成長したよね。才能がこの2年間で存分に開花したのさ」(ダンカン・ジェイムズ)。
「ダンカンは素晴らしい声で、楽器も弾けるし……女の子にもモテる(笑)」(リー・ライアン)。
「リーとは14歳の時から知り合いだけど、出会った時から凄くオトナだったな。シンガーとしても飛び抜けてるよね」(アントニー・コスタ)。
「アントニーはグループにおけるジョージ・マイケル的な存在さ。彼にはソウルがある。それが彼の歌のトーンから聴き取れるはずさ」(サイモン・ウェブ)。
と、いきなりホメ殺し合いですが……そんな(どんな?)スーパー・アイドルのブルーがより逞しくなって帰ってきました。TVのアイドル・オーディション番組出身者に押されて、いわゆる正統派のボーイズ・バンドは受難の時代を迎えているけど、どうやらブルーにはその波をはね返すだけの人気と実力がすでに備わっていた模様。先行シングルとして大ヒット中の“One Love”もこれまた典型的なブルー節でグッとくる好曲だったしね。
「俺たちはアルバムの曲作りをしていて、数か月の間シーンから離れていただろ。だから、ラジオでかかった時に聴いた人たちがすぐに〈あっ、ブルー!〉ってわかるような曲で戻ってきたかったのさ」(ダンカン)。
「これは〈心をひとつに結ぶ愛〉っていう意味のメッセージだ。職業や社会的地位が何であれ、俺たちに必要なのはそれだけだ、ってこと。例えば、俺たちは電話を切る時にいつもお互い〈One Love〉って言ってたんだけど、ここから何か生まれそうだって気づいたんだよ。それでスターゲイトにこのアイデアを提案して、いっしょに曲作りをした結果がこの“One Love”ってわけ」(サイモン)。
なるほどねえ。電話の時には使いましょう。で、すでに全英1位を獲得済みのアルバム『One Love』では、叙情的で優しさに満ちた“One Love”のような曲以上に、“Too Close”路線のスムース・グルーヴが格段に素晴らしい。他のボーイズ・バンドには出せない色気のようなものを匂わせてこそブルーだと、個人的には思う次第で。
「『All Rise』と比べるとかなりハードになってるけど、全体に流れるいい感じのグルーヴは、前と共通してる。デビューから1歳年をとって、いまの俺たちはこんな感じだってことを示してるのさ」(サイモン)。
「例えば、今年の初めにスターゲイトと共作した“Riders”は仲間とつるんで遊びに出かけるのがテーマで……野郎たちが遊びに出かけたら女の子たちがいて……まあ、わかるだろ? そういう曲さ」(ダンカン)。
ビッグなイヴェントに参加する機会も増え、世界中でパフォーマンスを行う4人にそんなヒマは実際なさそうだけど……だからこそ4人は自分たちで曲を書くのかも知れない。そう、さっき〈ブルー節〉と書いたけど、それらはすべて彼ら自身から生まれた言葉であり、メロディーなんですよ。
「俺たちは曲の下地ができるとダンカンの所に行って〈これにメロディーをつけてくれないか〉って言うんだ。そうすると彼はピアノの前に座って、それに手を加え始める。それに誰かがアイデアを出す……こうやって数多くの曲を書いてきたんだよ。そうやってお互いを刺激し合うのさ」(リー)。
他にも、カイリー・ミノーグのアレを手掛けたロブ・デイヴィスによるダンス・ポップ“Right Here Waiting”から、清潔感漂うアンジー・ストーンのカヴァー“Don't Treat Me Like A Fool”まで、作中のヴァラエティーは言わずもがな。そして……。
「もう僕らは3作目について話し合い始めてるよ」(リー)。
若い子は回復も早い……じゃなくてこの物凄い創作意欲! この調子で世界をブルーに染め上げちゃってください!
PROFILE
ダンカン・ジェイムズ、アントニー・コスタ、リー・ライアン、サイモン・ウェブの4人からなるヴォーカル・グループ。2001年5月にシングル“All Rise”でデビュー。その後リリースされた“Too Close”“If You Came Back”は、いずれもシングル・チャートでNo.1を記録している。同年11月に発表されたファースト・アルバム『All Rise』の大ヒットを受けて、〈ブリット・アウォード〉の最優秀新人賞をはじめ数多くの賞を総なめにし、トップ・アーティストへと大躍進を果たした。2002年に入ってからは〈クイーンズ・ジュビリー〉などのイヴェントにも出演し、11月にはセカンド・アルバム『One Love』(Innocent/Virgin/東芝EMI)を発表。2003年1月16日にはその日本盤がリリースされる。