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インタビュー

KOHEI JAPAN

ファンキーでリリカルなKOHEI節が通底した『FUNKY 4 U』はあなたに語りかける


 前作『The Adventures of KOHEI JAPAN』からおよそ3年ぶりとなるソロ2作目を発表したKOHEI JAPAN。その間には、MELLOW YELLOWの再始動、そしてコンピ『Change The Game』への参加をはじめとする膨大な客演……と精力的な活動を続けてきた。その傍ら板前として働いてもいる彼が、超多忙な日々のなか作り上げた新作『FUNKY 4 U』には、MUMMY-D(Rhymester)やLITTLE(KICK THE CAN CREW)をゲストに、DJ WATARAIやDJ FUMIYA(RIP SLYME)をトラックメイカーに迎えてもいる。しかし基本はKOHEI自身のセルフ・プロデュースで、一貫して非常にソウルフルでファンキーな曲群がぎっしり。そのへんのバランスはあえて意図していたものなのだろうか?

「意識したっていうか自然になったっていうか。自分ではモロにヒップホップなんだけど、でもそのなかでもソウル的なものが好きで。だから自分が表現していくとしたらソウルフルな面が出ちゃったっていうか。ヒップホップと同じぐらい、昔のソウルとかファンクにもすごい影響受けてるから」。

 自然に、といえばディスコ・ファンク調の“スパンキー☆スパンクのテーマ”をはじめとした、いわば童貞的リリシズムも彼の魅力のひとつだ。

「もちろん童貞ではないんだけど(笑)、その……〈Like a チェリーボーイ〉的なところっていうのは原点で。男だったら誰でも共感できると思うから。悶々とした何かっていうのは、出ちゃったっていうか、出したっていうか」。

 とはいえ、辛辣な“アダルトコンテンポラリー”があるかと思えば、恋人との絆を確認するような誠実さが滲み出る“トゥギャザーフォーエヴァー”といった曲もあり、その振り幅は実に広く、深い。

「歌詞ではわりと自分のことをぶっちゃけて言っちゃうタイプなんで、自然にその時思っていることとか考えたこととか、経験してたことが出た」。

 ソウルフルなのはトラックの印象だけではなく、こういった彼の人間味溢れる佇まいから感じさせるものが大きいのだと思う。すんなりと耳に入り込む言葉の数々、キャッチーで飽きさせないサウンドは、何度でもリピートしたくなるものだ。

「ライヴを想定して書くような曲はMELLOW YELLOWでやれるな、と思って。で、ソロはどうしようかなと思ったときに、向かい合って一対一で語りかけるような、そういうコンセプトにしようと。で、アルバム・タイトルにもあるけど、〈You〉とか〈キミ〉とか〈あなた〉とか、そういう表現を多用してて。だから曲によっては全然共感できない人もいるだろうけど、〈俺のこと言ってんのかな〉とか〈俺に向けて言ってる〉とか、そういうのを感じてもらいたい。まあ、何度も聴いてほしいアルバムなんで」。

 今後はソロでのツアー、MELLOW YELLOWとしての新作……そして7月には一児のパパになる(!)というKOHEI。まだまだ多忙な日々は続きそうです。

▼KOHEI JAPANの作品/参加作品を紹介。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2003年05月22日 13:00

更新: 2003年05月22日 17:36

ソース: 『bounce』 242号(2003/4/25)

文/佐藤 ともえ