インタビュー

テキサコ・レザーマン

日本のガレージ・シーンで暴れ続ける〈レジェンド〉、結成15年目のファースト・アルバム!


 いまや〈日本のガレージ〉も、すっかり世間に認知された感が強い。そんなシーンにおいて、現役でいながらレジェンダリーな存在といえるのがテキサコ・レザーマンだ。ライヴの人気はメチャ高。ヴォーカルのモッコス・ヨーロッパは日本刀を振り回し、オオサマはギターを叩き付ける。その姿&サウンドは、ガレージやパンク好きに限らず、多くのジャンルのアーティストからもリスペクトされているのです。

「流行った物そのままっていうのに惹かれなくて、そうなると〈ガレージ〉しかなったんですよねぇ(笑)。勝手に解釈してカスタムしておもしろくやっちゃうのがテキサコっぽいかな。日本刀だって奇を衒ってるわけじゃなく、ほんとにカッコイイと思ってやってるんですよ」(オオサマ、ギター:以下同)。

 87年結成なのに、これまで単独の音源はほとんどなし。そんな彼らがついにアルバム『DUKE~伯爵として~』を完成させた。そのサウンドは最近のニューブラッド系のガレージ・バンドを余裕でぶっ飛ばすロウ・パワー全開のロックンロール! 音のトビっぷりがまたヤバすぎるぞ!……と、終始ブッとんだ印象もある彼らだが、「15年のあいだに何度かレコーディングしたけど、納得いく音が録れなかったんだよね。ダメだったら出さないほうがいいし。今回はうまくいったんですよ」という、実は究極のこだわり肌も感じさせる。その心意気はアルバムのタイトルに込められているようだ。

「〈伯爵〉って言われる人は、趣味を本気でやるイメージがあるじゃないですか。オレらの音楽もすべて趣味なんです。趣味だから解散もクソもない。やるんならちゃんとやりたい。〈みんなも伯爵として生きようぜ!〉ってメッセージですね(笑)。〈みんな自分の好きなことを全うしようぜ!〉って」。

 仕事もあるし、そこに依存してないけど、なきゃ困る。30代なかばを過ぎても、苦労してまでバンドをやる姿。そこまで音楽に惹き付けられてしまうのは一体?

「モラトリアムというか、生まれつきの磁場が出てると思うんです。一生懸命やってるのにダメな方向に引き寄せられちゃう人いるでしょ。このCDでそういう人を解放してあげたいですね。磁場を解放、〈勇気を出そうぜ!〉と。まあ、結局ダメな方向へいくんですけど(笑)。悩んで精神世界行くよりはマシでしょ。磁場の悪い奴寄って来い!」。

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掲載: 2003年06月19日 13:00

更新: 2003年06月19日 18:27

ソース: 『bounce』 243号(2003/5/25)

文/土屋 恵介