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インタビュー

Mando Diao

超剛球ストレートでロックンロールをブツけるバンド、マンドゥ・ディアオが日本デビュー!!


輸入盤がすでにバカ売れ、先日の来日公演も大盛況、そんな彼ら──マンドゥ・ディアオがついにアルバム『Bring'em In』で日本デビューだ。ところでこの前のめりフィーヴァーの理由とは、そもそも一体何なのか? スウェーデン出身という目新しさ、抜群のルックス、それはもちろんポイントだろう。しかし、やはり何といっても楽曲が素晴らしいのだ。リズム&ブル-ス、モータウン、リヴァプール・サウンド、50、60年代の香りを漂わせつつ、感じるのはノスタルジーとは正反対。まぎれもなく現在進行形、最新鋭のロックンロール・バンド。それが彼らだ。

「ロックンロールって、実験的になりすぎてる。たとえばホワイト・ストライプスとかさ。僕らみたいにそういうのをシンプルに思い出させるバンドが必要だと思うんだ」(グスタフ・ノリアン、ヴォーカル/ギター)。

例えば本作冒頭の“Sheepdog”だけでも、彼らの虜になるには十分だろう。図太いグルーヴに絡まりながら極上のメロディーが瑞々しく動き出す。これぞカタルシスだ。

「別に速い曲である必要はないんだ。エルヴィスの“Heartbreak Hotel”はスロウだけどピストルズとかと変わらない興奮があるでしょ? とにかく良質のメロディーであるべし!」(グスタフ)。

「あと、僕らの音楽って、踊って楽しみたい人にもうってつけなんじゃないかな。だって僕らが音楽を作るときに込めてるのって愛だから。愛を感じたとき、踊りたくなるのは自然なことだろ?」(ビヨルン・ディクスクウォット、ヴォーカル/ギター)。

ジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ニール・ヤング、ボブ・ディラン。誰もが認める偉大なソングライターを、彼らが目標として挙げるのは納得だった。しかし、その素朴な憧れの一方で……。

「ハイヴスを聴いても、命懸けてるエネルギーがぜんぜん感じられない。あれってトム・ジョーンズみたいなラスヴェガスのショウだよ。僕らはもっとすごくなる。成功しないわけがない。新しい曲だってもう何10曲もあるんだ。あとはどういう形で出すかを考えるだけだね。〈ホワイト・アルバム〉だって『A Hard Day's Night』だって出せる。だけどまずはこのアルバムが広がっていくことを確信しているよ。これは世界の若者のサントラになるはず」(グスタフ)。

正直なところ、少々フカシすぎだとは思う。しかし、この強烈な自負に、決して笑い飛ばせないロマンを感じるのだ。胸躍るロックンロール物語が本作から幕開けていくことは間違いないと思う。それだけの力を現在の彼らは手にしている。

▼マンドゥ・ディアオのサウンドに影響を与えたアルバムを紹介

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2003年06月19日 13:00

更新: 2003年06月19日 18:25

ソース: 『bounce』 243号(2003/5/25)

文/田中 大

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