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インタビュー

Evanescence

世界中で大ブレイク!! 〈女性版リンキン・パーク〉と呼ばれるバンドが日本デビュー!!


 映画「デアデビル」のサントラに収録されているエヴァネッセンス“Bring Me To Life”のミステリアスな存在感。12ストーンズのヴォーカル、ポール・マッコイをフィーチャーしたこの曲を聴けば、なにか新しいものが生まれてくる息吹を感じずにはいられない。彼女たちにとって、このサントラへの参加はブレイクへの大きな布石となった。

「私たち映画が大好きで、大きな影響を受けているから光栄だわ。映画としても感動的な作品の、その一部になれたなんて!」(エイミー・リー/ヴォーカル)。

「あんなに素晴らしい形で僕たちの曲が使われるなんて、いままでの人生のなかでも最高の経験になったよ」(ベン・ムーディー/ギター)。

 アーカンソー出身のエイミーとベン。父親がミュージシャンだったというベンは、12歳のときに買ってもらったキーボードで曲を作りはじめた。一方、エイミーは中学から聖歌隊に参加していたものの本格的に音楽は学んでいなかった。2人はサマーキャンプで出会い、それから一週間も経たないうちにいっしょに曲作りを開始させる(当時13、14歳!)。高校になってからはベンの家でレコーディングをしていたという。

「私はクローゼットの中にこもって歌い、クローゼットの外にあるベンの機材にヴォーカルを入れていた。2人で曲作りをして、レコーディングを何度も何度も。毎日そんな調子だったわ」(エイミー)。

その結果で誕生した〈ヘヴィー・ロック発、クラシック経由、ヒーリング・ロック行き〉なサウンド。エイミーのルーツにあるオーケストラ・サウンド、ピアノやストリングス、そして聖歌隊をバックに堂々と歌い上げる荘厳さも兼ね備えた彼女の歌唱力は、とても21歳のものとは思えない。

「ティーンの怒りをうまくパッケージした偽物の音楽が多いんだよね。しかし、人はそれに嫌気がさした。僕もエイミーもそう。みんなが聴きたいのは本当の、心からの音楽で、シンガーが本当の気持ちを歌っている音楽なんだ」(ベン)。

 激しさを求める反面、癒しも求める現在のティーンの感情を代弁した〈エヴァネッセンス現象〉なるもの。その現象のなかに確固たる普遍性が存在することに気付くのに、そう時間は必要としないであろう。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2003年07月03日 13:00

更新: 2003年07月03日 18:32

ソース: 『bounce』 244号(2003/6/25)

文/田中 拓宏