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インタビュー

OO TELESA

見かけによらず血の気の多いバンドだし、そういうところを出すべきときが来たんだと思う。


「持ちうる魂を全部入れてやるぞ!って決意で臨んで……」(大塚謙一郎、ベース)。

「録り終えたときは〈いいのができた!〉って感じでしたね」(村田好隆、ドラムス)。

「すっきりしたぜ!って感じで」(植木雄人、ヴォーカル/ギター)。

「個人的にじゃなくて、バンドとして魂出しきった感じだよね」(上野智文、ギター)。

 ダブルオー・テレサのニュー・アルバム、その名も『ダブルオー・テレサ』の感想を力強く語る彼らの表情からは、バンドがすこぶる好調であることを容易に窺わせる……が、それにしてもはっちゃけたアルバムを作ったものである。

 洋邦のロック・ジャイアンツから学んだメロウネスを痛快なギター・サウンドで包み込み、やんちゃな態度で歌い回すダブルオー・テレサ。が、そこから滲み出るポップさゆえか、やんちゃながらも実は腕っ節の弱そうなイメージを抱かれていたところもあり、真に湛えている〈血の気〉の部分には、あまり着眼されていなかったように思う(今作のプロデューサー、曽我部恵一のかつてのバンドも、当初そうだったな)。しかしどうだ! 今作でのダブルオー・テレサは、世間の目に尻込みすることなく、さらに〈やんちゃさ〉を露わにし、果敢に聴き手の心を掴みにかかってきた。

「見かけによらず血の気の多いバンドだし、そういうところを出すべきときが来たんだと思う。そうしなきゃしゃあないみたいなところで。それが自分たちにとっていちばんリアルなところだから。それにフィルターをかけてもおもしろいってことも、これまで作品を出してきてわかってるけど、それに満足できなくって今回のアルバムを作ったわけで」(植木)。

 とはいえ、ダブルオー・テレサが突然〈血の気〉のみのロックンローラーになったと考えるのは早計。知性的で愛らしい部分は、拳を握っていながらもしっかりとバランスを保って存在している。

「いかにもロックンローラーみたいな匂いが自然に出せたらいいなあって思ったりもしますけどね。でも、オレって優しいからなあ。そこが邪魔くさいなっていうときはありますね。躊躇はしてないんだけど、優しく見えちゃう自分にムカついたりしてて……いい人じゃ終わらせないぞっていう意識はずっとあるけど、まあ、そういう自分とも付き合っていかなきゃいけないんですね。そういうわけで、最近は80年代の佐野元春みたいな雰囲気に憧れてます。〈ポップなロックンローラー〉みたいなね」(植木)。

▼ダブルオー・テレサがこれまでにリリースした作品を紹介。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2003年10月30日 12:00

更新: 2003年10月30日 13:46

ソース: 『bounce』 248号(2003/10/25)

文/久保田 泰平