インタビュー

POTSHOT

モッドな音楽から授かった〈フレッシュな情熱〉を新作に込め、新境地を拓いた6人のロッカーたち!


 POTSHOTがスカ・パンクというムーヴメントに乗って……いや、そうじゃないな。POTSHOT自身がスカ・パンクをポピュラーな位置に上げたのは事実である。しかし、RYOJIという吸収性に富んだ優れたソングライターは、決められた場所に定住することを潔しとせず、刺激を求めて未知の音楽探検に乗り出す。その成果が通算6枚目の新作『SIX POTSHOT ROCKERS』で、テーマはズバリ!POTSHOT流解釈による〈モッド〉であるとRYOJIは言う。

「60年代のブリティッシュ・ビートも70年代のジャムや2トーンのスカも〈モッド〉という便利な言葉で全部括れる。そういった流れを辿って、いままで聴いてなかったストーンズだとか、ザ・フー、キンクス、スモール・フェイセズとか……聴いたらめちゃめちゃ良かったんですよ! それが今回の明確な拠りどころになりましたね。古臭い方法論だとは思うんだけど、スカ・パンク畑にいたワタクシにとっては大発見だったわけです!」(RYOJI、ヴォーカル:以下同)。

 何をいまさら、と思うのは自由。しかし、実際に作品から聴こえてくるハツラツとしてポップな楽曲たちには、新しい乗り物を発見したRYOJIとバンド・メンバーの頼もしさ以外の不純物は感じられない。その裏づけは、たとえ古い音楽をお手本にしていても、RYOJIの聴き方が〈新しい〉からであると見た。

「あのころの音楽は、フレッシュな情熱具合がすごい。たぶん〈すごいの閃いちゃったよ!〉って自分で思いながらやってたんだろうな。初期パンクにも同じ匂いがあるんですよ。僕らも、ずっと初心のままでいたいというのがあるんですね。音楽の勉強をしてたわけじゃないので、初期衝動がなくなったら何にも残らない。ずっと新しいレコードを買い続けてるのも、そのへんに理由があるのかもしれない」。

 POTSHOTの音楽が、常にフレッシュであり続ける理由。このアルバムを聴けば、いつまでも彼らの音楽をスカ・パンクと呼ぶことが、いかに無意味なことかがわかるだろう。

▼ニュー・アルバム『SIX POTSHOT ROCKERS』制作前に、RYOJIが衝撃を受けたと語る作品を紹介。

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掲載: 2003年11月06日 16:00

更新: 2003年11月06日 17:19

ソース: 『bounce』 248号(2003/10/25)

文/宮本 英夫