インタビュー

コザック前田という名の土鍋のなかでは、こんな素材がおいしく煮えちゃってます!!

 「僕はいつもアルバムのなかに(吉田)拓郎っぽい曲を3曲、ソウルのコードを使ってるんだけどソウルに聴かせない曲を1曲とか、そんな感じで入れようとしたりする」と話すコザック。確かに、1曲のなかにギッシギッシに歌詞を詰め込むコザックの強引なヤリ口は、70年代からカリスマ的なシンガーであり続ける吉田拓郎のスタイルそのものだ。また、そのソウルのなかではスティーヴィー・ワンダーがもっとも尊敬するお方だそう。そういえば、『東須磨は夕方6時』においても数曲で凝ったコード使いのメロディーなんかもあるが、そこからスティーヴィーの影響を聴きとることができるかもしれない(ホント?)。また、彼はボズ・スキャッグスやビリー・ジョエルも好きだそうで、実は幅広い音楽的嗜好を持っていたりするのだ。また本文中でも触れているとおり、泉谷しげるからはかねてからその音楽性だけでなく、存在そのものについても刺激を受けており、「最初観たとき、俺でもできるんちゃうか!?と思った」とも話してくれた。ただ、続けて話してくれた言葉がまたイカす。「僕の場合も、若いヤツが観たときに〈こいつがやってることぐらいだったら自分でもできるわ〉ぐらいのことをやりたいんです。音楽的に高尚なもんやとか、難しいことだとかは死んでも歌いたくない」――ってかっこいいじゃありませんか。ちなみに、年間3ケタ単位の映画を観ている(いつ観てるんだろう?)という彼のお気に入り映画は、紳介・竜介が主演し、井筒和幸が監督を手掛けた81年作「ガキ帝国」だとか。納得。

▼文中に登場したアーティストの作品を一部紹介

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2004年03月25日 14:00

更新: 2004年03月25日 16:50

ソース: 『bounce』 252号(2004/3/25)

文/bounce編集部

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