インタビュー

Alanis Morissette

最新のサウンドを手に入れ、力強さを取り戻したニュー・アルバム『So-Called Chaos』!!


「おそらく私は、ちょっとした励ましになっているんじゃないかしらね。進もうとしてる方向に見える青信号みたいなものっていうか。まあ、そう思われるだけでもクールだわ」と語るのはアラニス・モリセット。アヴリル・ラヴィーンらが彼女からの影響を公言しているように、昨今の女性シンガー・ソングライター・ムーヴメントを語るうえで最重要人物の一人である。そんな彼女がおよそ2年ぶりとなる4作目『So-Called Chaos』をリリースした。

「しばらくはあちこち旅をして過ごしていたわ。それから自分の家を改築して、友達といっしょに暮らせるようにしたの……ご存知のとおり、私は凄くコミュニティー志向の人間なんでね」。

 とはいえ過去の3作品において、タイトルを重ねるほどに作品性が深まり、表面的なサウンド・アピールは徐々に希薄になっていた。聴き方によっては、彼女の内面ですべてが完結してしまう、外部へのコネクトを拒絶したような作風。しかし、このニュー・アルバムから感じ取れるのは、外部へと放散するかのようなポジティヴなメロディーとヴォーカル。驚くべきこの大きな変化は、今回プロデューサーとして起用されたジョン・シャンクスによるところも大きいそうだ。

「ジョンの持ってる魅力は、曲に対する解釈の的確さだと思う。すべてを動かす原動力になっているのは、作品に込められたメッセージだって明確に理解してるの。だから歌詞をとても大事にしてくれるのよ。あととても緻密で、クリーンで……私の好きなクリーンなサウンドを作ってくれるの」。

 常々、彼女のヴォーカルに力負けしない、ロッキンかつクリアな最新サウンドとの好マッチングは予想できていただけに、今作でのジョンの起用は大正解。2倍にも3倍にも増幅された彼女のメッセージがこれでもかと堪能できる。そして、彼女の歌に説得力が増した理由、それはやはりこれまでのキャリアだ。

「願わくば、これから時を経るごとに成長・成熟し続けていきたいわ(笑)。それと、これから私はもっともっと感謝する心を持って、もっともっと謙虚に、そういう方向へ向かうと思う。それは人間的に成長することによって身に付くものだと思うから」。

▼アラニス・モリセットのアルバムを紹介。

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掲載: 2004年05月27日 13:00

更新: 2004年05月27日 18:02

ソース: 『bounce』 254号(2004/5/25)

文/武山 英丈