FRANZ FERDINAND
グラスゴーより飛び出した超新星、フランツ・フェルディナンドが日本デビュー!!
昨年9月にリリースした、たった1枚のシングル“Darts Of Pleasure”で本国イギリスのプレスや早耳のリスナーたちを虜にしたグラスゴー出身の4人組フランツ・フェルディナンド。そんな彼らが満を持して今年2月に本国でリリースしたセルフ・タイトルのデビュー・アルバムは、全英チャートの3位に初登場──つまり、ついこのあいだまで不法占拠した廃墟同然の倉庫でライヴをやっていた連中が結成2年とちょっとで、早くもイギリス制覇を実現させようとしているわけだ。そして、その勢いはいまやアメリカ、そしてここ日本にも飛び火しようとしている。
「曲がいいからウケているんだと思いたい。現在の人気の理由が、そういうシンプルなものだったらいいと願っているよ」(アレックス・カプラノス、ヴォーカル/ギター:以下同)。
硬質なギター・サウンドにキャッチーなメロディーと、ちょっと懐かしいディスコ・ビートが絡み合うその音楽性は、トーキング・ヘッズやジョイ・ディヴィジョンの再来、あるいは、ストロークスへのイギリスからの回答などと絶賛されている。
「(アルバムは)ポップなものにしよう、と事前にきちんと決めていた。ダンス音楽のエネルギッシュなところやダイナミックなところを採り入れたかった。でも、ダンス音楽の技術は採り入れたくなかった。そのエネルギーだけをロックの構成のなかに入れこんだんだ」。
80年代のポスト・パンク/ニューウェイヴの影響を認める一方、「すべての時代の音楽に影響されている」と語る彼らは、なによりも彼らの地元であり、これまでアズテック・カメラ、パステルズ、ベル&セバスチャン、モグワイらを輩出してきたグラスゴーの音楽シーンそのものに影響されているという。
「音楽的な共通点なんてまったくないんだけど、音楽に対する姿勢は共通している。つまり誰もが自分たちならではの音楽という考え方を持っているんだ。それにグラスゴーのバンドはみんな、普通の人たちなんだ。成功したからって決してバカにはならない」。
マスコミの過熱ぶりを皮肉る彼らは、決してマスコミが作りだした狂騒に踊らされたりはしないはずだ。そう、踊るのは彼らの音楽の虜になっている、われわれリスナーのほうだ。