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インタビュー

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くるりも注目! 話題の2人組ポップ・ユニット、□□□(クチロロ)デビュー作発売


左から、三浦康嗣(ヴォーカル、ピアノ、ギター他)、南波一海(キーボード、サンプラー他)

「バンド名の由来とか聞かないでくださいね、なんにも言うことないから(笑)」(三浦康嗣)

これはインタビューの数日前、酒の席で筆者と顔を合わせたメンバーの口から出た言葉だ。上記の発言から察するに、おそらく取材の度にそのバンド名の由来を尋ねられているのであろう(笑)2人組、□□□(クチロロ)は、三浦康嗣と南波一海の2人からなるユニット。くるりが主宰を務めるレーベル〈NOISE McCARTNEY RECORDS〉のコンピレーション・アルバムに“メローメロー”が収録されたのをきっかけに□□□の名前を覚えた人も少なくないはずだ。そんな彼らが6月9日にリリースしたファースト・アルバム『□□□』は、わかりやすい形で明確なジャンルに属する音楽ではない。が、そのメロディー・センスと言葉の選び方は、明らかに90年代の日本のポップスを聴いてきた世代のものだろうし、さりげなくも揺るぎないグルーヴ感は、音楽史がアーカイヴ化された〈膨大な選択肢〉が提供されている今の20代の感覚を象徴しているようにも見える。

  「□□□は元々、ヒップホップのユニットとしてスタートしているんですよ。今もそのメンタリティーは持っている。でも、『僕らはこんな音楽を聴いています』っていうことを音楽で伝えたいとは思わないし、アンダーグラウンドな活動をするつもりも全然ない。もっと広い層に聴いてもらうためには歌も必要じゃないですか。それで歌を歌うようになった」(三浦)。

「アルバムにはインストも入っているけど、単純にいいものを入れたいという気持ちで作ったらこうなったっていう感じだよね」(南波一海)。

□□□に対し、純粋で素直な若者2人によるストレートなポップ・ユニットだ。などと言うつもりは毛頭ないのだが(大体、ユニット名がひねくれている)、彼らの音楽からは、なにかを装うことで自分の本質を見抜かれまいとするごまかしが感じられない。あくまで素直でストレートな〈力の抜き方をわかっている人間〉が発する音楽、という印象がある。

  「音楽的には影響を受けていないんだけど、『LIFE』の頃の小沢健二が持っていたアーティストの立ち位置と、その男気みたいなものに凄く惹かれるんですよ。王子様みたいなパブリック・イメージだったけど、歌詞を読むとポップ・アーティストとしての精神性みたいなことについて深く考えているのがわかる」(三浦)。

本作『□□□』には、ROVO、ASLNのメンバーであり、スーパーカーやキセルのプロデューサーとしても知られる益子樹がプロデューサー的な立場で参加。03年に発表した『ワラッテイイトモ、』というサンプリング映像作品で、各方面に物議をかもした映像作家K.K.が“メローメロー”のプロモ・クリップ(こちらでフルサイズ視聴可能!)を手がけたことでも注目を集めている。

  「制作にすごい時間がかかっちゃったけど、元々は去年の春頃に発売しようとしていたんです。でも、基本的に□□□の活動は他人事っていう感じがするから(笑)、プレッシャーは感じないですね。CDの全体的な売上が減っているこの状況で、ファースト・アルバムを出すことが客観的に見て面白いと思っているし、K.K.君が初めてプロモ・クリップを撮影したことも大博打って感じがするじゃないですか。しかも内容がかなりアヴァンギャルド(笑)」(三浦)。

「K.K.君は、初めてのプロモ・クリップでかなりプレッシャーを感じているみたいだよね(笑)。そういう意味のプレッシャーは俺たちにはないもん」(南波)。

『□□□』
1. I know inotch
2. to the sea
3. メローメロー(試聴する
4. 春 Hello!(試聴する
5. KUCHIRORO POSSE
6. 夏のワイルドピッチ
7. costura
8. Civil War
9. この世界
10. James vs. Jane
11. 夜明けまで
12. our hands
13. 光る街

□□□インストア・イベント開催
2004年7月11日(日)19:00~
会場:TOWER RECORDS 新宿店 7Fイベント・スペース
※入場はフリーです
問い合わせ:03-5410-7811(TOWER RECORDS 新宿店)

カテゴリ : ニューフェイズ

掲載: 2004年06月10日 12:00

更新: 2004年06月14日 00:02

文/ヤング係長