インタビュー

MARITIME

エモ/USインディー・シーンのドリームチーム!? マリタイムのデビュー作『Glass Floor』!


 元プロミス・リング+元ディスメンバメント・プランという、エモ/USインディー・ロック・ファンにとっては夢のような組み合わせによるニュー・バンド、マリタイムがファースト・アルバム『Glass Floor』を発表した。プロミス・リングは2002年の来日直前に解散し、ディスメンバメント・プランはくるりのサポート・アクトなどを経て日本での人気が高まってきたころに解散、ということで歯がゆい思いをしていた日本のファンにとって、待ちに待ったアルバムである。まずはこのメンバーでバンドを結成することになった経緯を、デイヴィー・ヴォン・ボーレン(ヴォーカル/ギター:以下同)に訊いてみた。

「プロミス・リングの解散後、僕とダン(・ディディアー、ドラムス)はまたバンドを組むことを真剣に考えはじめたんだ。そのころちょうどディスメンバメント・プランが解散して、エリック(・アクセルソン、ベース)とは昔からの知り合いだったから、スタジオで数曲弾いてくれないかって頼んだんだ。そうしたら思いのほかしっくりきたんで、本格的にいっしょにやることになったのさ」。

 こうして完成した今作は、3ピースのシンプルなサウンドを基本にしながらチェロやホーンなどによる多彩な音色も加わり、そこにプロミス・リング時代と変わらぬデイヴィーの哀愁メロディーが乗る極上のポップ・アルバム! 今回、このアルバム制作にあたっては、どのようなアプローチを取ったのだろう。

「じっくりと腰を据えて曲作りに取り組んだんだ。ギターや歌の代わりに普段あまり手にしない楽器をフロントに持ってきて、それらのメロディーに楽曲の大半を委ねることができるようになったんだ。結果として、バンドの人数が足りないことがかえって可能性のドアを開いてくれたような感じかな? ちょっと変わったパターンだね(笑)」。

 さて、こうして素晴らしい作品を聴いてしまうと、やはりライヴのほうも気になってくる。プロミス・リングの最後の来日が幻のものとなってしまったため、ぜひともこのバンドで実現させてほしいところである。

「僕たちのことを知ってくれて、待ってくれてる人たちがいるってことはグレイトだ!! 僕たちも日本で良い演奏ができることを望んでいるよ」。

 今度こそ、よろしくお願いします!!

▼メンバーが過去に在籍していたバンドの代表作を紹介。

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掲載: 2004年06月24日 15:00

更新: 2004年06月24日 19:19

ソース: 『bounce』 254号(2004/5/25)

文/粟野 竜二