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インタビュー

つばき

感情剥き出しのギターと〈泣き〉のメロディーで心を揺さぶる、つばき待望のフル・アルバム!


 せっかく新しくて素直でおもしろいものがどんどん出てきているところへ勝手にレッテルを貼って、単なる〈消費素材〉にしてしまいたくない。だから〈○○系〉とか言わない。言わないが、このところたしかに、日本語の響きを重視した個人的でリアルな歌詞と、泣きの要素たっぷりのキャッチーなメロディーを兼ね備えた20代そこそこのフレッシュなロック・バンドが続々と登場して、いい流れを作ってる。つばきも、言ってみればそんなバンドのひとつだ。

「ニルヴァーナやレディオヘッドに影響されたのは、少し上の世代。オレが大学生のころには、洋楽よりも日本のバンドのほうがカッコいいなと思ってたんですよ。オレはエレファントカシマシから音楽に入ったし、あとはearstern youthとか。だからいま、こういうことをやってるんだと思います」(一色徳保、ヴォーカル/ギター)。

 とにかくメロディーが泣ける。ネガティヴとポジティヴの狭間で揺れる歌詞のリアルさに胸を突かれる。感情剥き出しのサウンドがグッとくる。現在のメンバーとなってから3年目、満を持して世に問うファースト・フル・アルバム『あの日の空に踵を鳴らせ』の完成度は相当に高い。アルバムのテーマはズバリ〈青の時代〉と見た。

「〈ライヴ感〉をレコーディングに持ち込もうと思ってました。3ピースだから、ベースはつい動きたくなっちゃいますね」(小川博永、ベース)。

「私はバランスを考えます。小川くんがこう弾くならこう叩こう、とか。常に〈ドラムで歌ごころを出したい〉と思ってます」(岡本奈穂子、ドラムス)。

 作品をリリースするたびに評価はぐんぐん上がり、周囲からの注目も大きくなってきた。だが、自分は自分、常にマイペース。地に足の着いた活動が大きく花開く日はきっと近い。

「最近よく対バンする椿屋四重奏にしても、LUNKHEADにしても、お客さんが3人ぐらいのときからよくやってるんですよ。LUNKHEADとは〈いっしょに有名になろうよ〉〈なれるわけねぇだろ!〉とか言い合ってた(笑)。〈シーン〉みたいなものはたしかにあると思うけど、ここから先はバラバラになっていったほうが楽しいと思う。かといって無茶をするわけでもなく、自分のバンドでしっかりやっていけたらいいと思ってます」(一色)。

▼つばきの作品を紹介。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2004年07月01日 18:00

更新: 2004年07月01日 19:14

ソース: 『bounce』 255号(2004/6/25)

文/宮本 英夫