インタビュー

Goodie Mob

3人で再スタートを切った新生グッディ・モブ……それでもやっぱりショウは止まらないぜ!!


 ビッグ・ギップの鮮烈な『Mutant Mindframe』からおよそ1年、3人になった新生グッディ・モブの新作『One Monkey Don't Stop No Show』がついにお目見えした。グループとしては実に5年ぶりの新作だが、その間にシー・ローが脱退し、クージョーは脚を失う事故に遭い、3人でレーベルを設立、一方で盟友のアウトキャストは世界を動かしている。が、「この5年で成長したところ……ちょっと太ったかな(笑)」(クージョー)と彼らはマイペースだ。ただ、「気持ち的にはデビューした『Soul Food』の時に近かったかな。状況のなかで自分たちを証明しなきゃいけない立場にあったし、じっくりとリリックに耳を傾けさせるような内容のものを作りたかった」(ギップ)との言葉どおり、相当な力作であることは間違いない! 今回はダンジョンの大ボス=オーガナイズド・ノイズの制作曲が増し、逆に前作『World Party』に多くあったセルフ・プロデュース曲がなくなった。音的にもよりブルージーでソウルフルな味わいが増し、濃厚で温かい最高の仕上がりだ。

「自分たちのプロデュース・スキルは、今回特にハイライトを当てる必要もないかな、と思ってやらなかったんだ。それは今度出す俺のソロ作でやることになると思うよ」(T・モー)。

 他にもクージョーの従兄弟であるマーク・トウェイン(ヤングブラッズでお馴染み)、新人のブレッド&ウォーター、ダラス・オースティン門下のジャスパー……とアトランタを基盤とする新進のメンツがズラリ。「いまはアトランタの時代さ。新しい奴らに俺たちの影響を見るのは、俺たちがやってきたことが確かだった、ってことだと思う」(T・モー)という自信の現れでもあるのだろう。

 ところで、誰もが深読みするだろうアルバム・タイトル、〈One Monkey〉とはやはりあの巨体の男のことなの? 〈彼〉の最新作は聴いた?と問うと……「聴いたよ。なかなかいいビートがあったね(笑)。奴が俺らに対して何か言ってるように聴けるところもあったけど、そういうアプローチをしてくれて嬉しいぜ。まあ、〈One Monkey〉のせいでショウを止めるわけにはいかないんだ。それがシー・ローであれ、アリスタであれ……」(クージョー)。

 みんな仲良くね! ともかく……才能がひしめくアトランタのショウ・ストッパーは誰か?ってことが確信できる新作、絶対的に必聴ですよ。

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掲載: 2004年07月22日 15:00

更新: 2004年07月22日 20:46

ソース: 『bounce』 255号(2004/6/25)

文/轟 ひろみ