Yellowcard
王座へと猛スピードで駆け上がるイエローカード。彼らのアルバムが装いも新たに再登場だ!
いま、イエローカードが熱い! 昨年夏にリリースされたメジャー第1弾アルバム『Ocean Avenue』はロングセールスを続け、ほぼ1年かがりで100万枚を突破。今年の〈Warped Tour〉では、これまでのサブ・ステージからヘッドライナーのひとつを務めるまでになった。でも、それらは1日で成し得たものではなく、彼らが影響を受けたファット・レックやエピタフのバンドが皆そうだったように、年間250本という地道なライヴ活動でファン・ベースを築き上げてきた結果なのである。しかも漠然と回を重ねるのではなく、熱き想いを胸に。
「世界中でネガティヴなことが起こってるし、そういうことを歌ってるバンドが多いよね。僕らだって、いまの世の中が最高だとは思わないけど、トンネルの向こうにある光を追い求めようとはしてる。ライヴをやるときはみんなの笑顔が見たいし、いっしょに楽しみたいし、ポジティヴなエネルギーを広めたいんだ」(ライアン・キー、ヴォーカル/ギター:以下同)。
日本のとあるバンドは〈ライヴをするために曲を作る〉と言っていたが、彼らもそれに近いのかもしれない。キッズのアンセムにもなっている“Way Away”をはじめとする楽曲は、ライヴを想定したうえで「聴いたときにリスナーを張り倒すような衝撃のある作品を作りたかった」というのがあった。また、彼いわく「第3のギタリスト」というショーン(・マッキン)によるヴァイオリンを前面に打ち出した楽曲は、激しさだけでなく極めてメロディアスな側面をも併せ持っている。そして、身体を揺さぶられるのと同時に熱いものが込み上げてくる。
「すごくリアルな音楽だし、別れた彼女との関係やフロリダを離れてカリフォルニアで活動の場を得られたことなど、自分たちが体験したことを素直に表現しているからだと思う。スロウなバラードにもヘヴィーなロック・ソングにも、僕らが全身全霊を捧げていることがわかるはずなんだ」。
アルバム・タイトルの『Ocean Avenue』は5人が生まれ育ったフロリダはジャクソンヴィルに実在する通りの名前で、束の間のオフも家を借りてみんなで過ごしていたという。生まれたところを遠く離れても、彼らの胸の中にはいつもジャクソンヴィルがある。