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インタビュー

TRIAL PRODUCTION

6本のホーンと共に鳴らされる、前代未聞のオリジナル・ダブ作品『EXOTICA』が登場!!


 ドラム&ベースの音が鳴り進み、照明と共に輝く6つの管楽器の圧倒的な音が会場を包み込む。ステージ上の彼らは気負いや媚びることもなく自分たちの音色を力強く吹き上げ、描いていく。決して甘い音色でもなければ、綺麗な音色でもない。ただただ強く、熱いホーン隊にクール&タイトで重いドラム&ベース。ライヴで観るTRIAL PRODUCTIONというバンドは、音的にもヴィジュアル的にも死ぬほど男臭く、格好いいバンドだ。

 前作『Red Rock』以来の新作『EXOTICA』には、スタイリッシュで硬派な4人組バンド=Dogggy Styleから柿沼和成(ドラムス)と石黒祥司(ベース)を、ジャズ界から渋さ知らズなどでも活躍している斉藤“社長”良一(ギター)、gnuの塚本真一(ピアノ)をメンバーとして迎え入れ、進化したTRIAL PRODUCTIONとしてのスタートを切った作品となった。

「やっぱりグルーヴとか一発一発の音とか、それは打ち込みには出せない迫力があるわけだから、そういう変化とかはデカいと思う」(平野アンチ、トランペット)。

「全然別のバンドになったよね。社長も塚ちゃんもレゲエのプレイヤーじゃないんだけど、そういうのは関係ないんだよね」(西内徹、アルト・サックス)。

「でも、そっちのほうがいいから」(藤光ケンケン、トロンボーン)。

 一方で音響や音像的な魅力も聴かせる今作には、ステージだけでは表現しきれない多くのギミックが仕掛けられている。まずはトータル・ダブワイズをMIGHTY MASSAが手掛け、不規則に出入りする音を深くクリアで重圧な音像で聴かせてくれる。またオリジナル曲に加え、リミックス曲に参加したクリエイター陣も、今作のトータル・コンセプトに相応しいメンバーが参加している。パーカッシヴ・ハウス・サウンドを聴かせるKINKA、ディジュリドゥー奏者GOMAによるオーガニックなリミックス、リズムのタイム感とリフの印象的な遊び心も満点のリミックスを聴かせるSHIRO THE GOODMANなど。

「予想とは違ったものが出来てきて、それが楽しかった」(平野)。

 バンドありのままというわけではなく、レコーディングという制作の可能性を十分に詰め込んだ今作。TRIAL PRODUCTIONとしての可能性はこれからも無限に広がっていきそうだ。

「でっかい音で聴いてほしいですね。ヘッドフォンでもいいから」(平野)。

「とりあえずライヴを観に来てください」(西内)。

「生バンドになってからは、まだ始まってないぐらいですよ」(藤光)。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2004年09月24日 17:00

更新: 2004年09月24日 19:31

ソース: 『bounce』 257号(2004/8/25)

文/前田 和彦