The Donnas
ギャルバン界のトップ・アスリートであるドナスが、最強の布陣で新作『Gold Medal』を発表!!
キュートな10年選手、ドナス。彼女たちにとって、いわゆるメジャー進出作となった前作『Spend The Night』が環境面をも含めた次元での飛躍作だったとすれば、通算5作目となる最新アルバム『Gold Medal』は、音楽的、内面的な意味での改革を経たうえでの分岐点的作品ということになるだろう。ポップでハードロッキンでガレージの匂いのするガールズ・バンド──そんな従来のパブリック・イメージを単純に打ち消すのではなく、大胆に超越してしまった4人の姿がここにある。
「新しいサウンドに挑戦することに、全員が夢中になったの。新しい曲はどれもチャレンジ度が高くて、どのメンバーにとっても、もっと自分を出す余地があるって感じ。演奏してて退屈するようなことがあり得ないのよ」。
アリソン・ロバートソン(ギター)はこんなふうに語っている。そしてマヤ・フォード(ベース)は、こんな発言を残している。
「あたしたち、ずっとロードの日常のなかで過ごしてきた。毎晩毎晩、同じ曲ばっかり繰り返し演奏してきたことで、すっごくタイトなバンドにもなった。だけどね、前のアルバムに伴う長いツアーを終えて、ちょっとブレイクを挟んだあとで思ったの。もう同じような曲は作りたくないなって。チャレンジ精神を掻き立てられるような曲を書いたほうが、自分たちにとってライヴ自体がもっとおもしろいものになるはずだって」。
マヤはさらに、こう続ける。
「4人ともいろんなバンドを聴いてきたし、いろんな音楽から影響を受けてきたのに、自分たちの音楽でそれを全部使おうとはしてこなかった。で、要するに今回は自分たちの好きなものすべてを引っ張り出したってわけ」。
今作のプロデュースを手掛けているのは、アヴリル・ラヴィーンやシンプル・プランとの仕事を例に出すまでもなく、いまやロック・シーンにおいてもっとも忙しい人物と認識されているはずのブッチ・ウォーカー。彼と手を組み、冒険心と挑戦意欲とを見事に自分たち流のロックへと昇華させた4人は、今作をもって確実にネクスト・レヴェルへと駒を進めたといえる。で、その先にあるのは、まさに〈金メダル〉級の大活躍であるはずなのだ。
▼関連盤を紹介。
カテゴリ : インタビューファイル
掲載: 2004年11月25日 13:00
更新: 2004年11月25日 18:42
ソース: 『bounce』 260号(2004/11/25)
文/増田 勇一