インタビュー

lecca

注目のフィメールMCがボーダレスな魅力溢れるデビュー作をリリース!! 


 PANGとのコラボレーションなどで噂となっていたleccaがデビュー・アルバム『烈火』をリリース。レゲエDJとヒップホップMCという両方の要素を併せ持つ彼女と音楽との最初の関わりは、彼女が中学生だった頃の、ヒップホップ/R&BのDJ(皿回しのほうですね)としての活動だった。ただ、「私、オタク気質みたいで、段々音のほうに執着するようになってきちゃった」ことから、マイク持ちやトラックメイクへの欲望が増していき、スクールに入学してゴスペルのスキルも学ぶことになる(ここでPANGと出会うことになった)。彼女は当時のことをこう振り返る。

「ツルんでるだけでたいした音楽もやってない男のコって嫌いなんです。若い頃は強気だったんで、負けずに頑張って(笑)」。

 そんな彼女の大きな転機となったのが、NY/トロントでの武者修行。

「自分と音楽の関わり方が、行く前と後で全然変わっちゃった。すごく頑張ってやるものだったのが、自然にやるものになったんですよね」。

 その結果、それまで本名で活動していた彼女は、leccaというステージ・ネームでの活動をスタート。この『烈火』には、そんな活動のなかで彼女がなにを貫いてきたかがハッキリと形になっている。それは「生活で使わない言葉は出てこない」というリリックの面でも、「作るのが早いんですよ。すぐ作らないと他のアイデアを形にしたくなっちゃう」というトラックメイクの面でも。

「レゲエの音じゃないと言われればそうだと思います。ただ、トロントで出会ったレゲエの人に教わったのが〈自由〉ということなので、こういうレゲエがあってもいいと私は思ってるんです」。

 leccaのスタンスは明確だ。喜怒哀楽をそのまま表現し、悩みも苦しみも抱え込みながら、それでも前を向いて歌っている。だから、彼女の歌は信用できる。

「〈欲がある〉というのは生きていくうえでいいことだと思うんですよ。なにかに対する欲望を少しでも持っているのならば、それを追求することを私は肯定したい。特に女の人に言いたいんです、欲しがるだけ欲しがって、それを手に入れるために頑張ってほしい。それが全曲に共通していることなんです」。

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掲載: 2005年03月24日 12:00

更新: 2005年03月24日 18:50

ソース: 『bounce』 262号(2005/2/25)

文/大石 始