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インタビュー

LITTLE BIRDY

大きな大きな愛を振りまく、とびきりポップなロック・アルバムが登場よ!


「ステージで思いっきり動きながら歌ってみたくなったの」(ケイティ・スティール、ヴォーカル/ギター:以下同)。

 敬愛するウィーンの名曲からバンド名を拝借したリトル・バーディーは、もともとエレクトロ・バンドのキーボーディストとして活動していたケイティ・スティールを中心に結成された4人組。「1年中気候が良くてとっても素敵な街よ」というオーストラリアの西海岸に位置するパースで2002年に産声を上げたバンドである。スリーピー・ジャクソン(ちなみにケイティはバンド・メンバーの実の妹)を輩出した同地のローカル・シーンから火が着き、結成後間もなくリリースされたEP“This Is A Love Song”がインディー界隈で大爆発! 正式なアルバムを発表する前にも関わらず、ローリング・ストーン誌から大絶賛されたという逸話の持ち主なのです。そんなリトル・バーディーがこのたびファースト・アルバム『Big Big Love』をリリースしました。

「ライヴで大忙しだった最中にレコーディングしたの。我ながらよくこれだけのものを短期間で作れたなって驚いているくらいよ」。

 今作にはエモーショナルでダイナミックな曲から、乙女ちゃん必聴のチャーミングな曲まで、一重に〈ロック〉とは括り切れない色彩豊かな楽曲が詰め込まれている。しかし、そこにあるのは一貫して〈イイ曲〉。

「曲の要はメロディーだと思うから、まずはそこね。でも納得がいく曲ができるまでにはかなりの時間がかかってしまうの」。

 弱冠20歳のケイティ嬢は、みずから作詞作曲を手掛ける根っからのクリエイターだ。しかしなんといってもこのバンドの最大の武器は彼女の声! PJ・ハーヴェイなどを引き合いに出されるその歌唱は、先述したとおり多種多様なリトル・バーディー・サウンドを自在に操る。声そのものは紛れもなく〈ケイティ〉なのに、楽曲次第でセクシーに、ワイルドに、キュートにと様変わり。

 そして、リトル・バーディーのもうひとつの魅力はライヴ。サウンドはもちろんのこと、「お洋服が大好きだから、ステージ衣装にもこだわっている」という彼女。この春に数日間だけ来日していたそうで、すっかり日本が気に入ったご様子。

「ゴハンはおいしいし、お買い物に行ったらコントロールできなくなるし。早く日本のみんなに私のステージ衣装を観てもらいたいな!」。

 卓越した作曲センスと歌唱力を備えつつ、こんなあどけなさも窺わせるケイティ。まさに、特別なモノを感じさせながらも親しみが持てるリトル・バーディーの音そのもの! ヘタに手を出したら最後、この小悪魔ちゃんには要注意よ!

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2005年06月23日 14:00

更新: 2005年06月23日 20:51

ソース: 『bounce』 265号(2005/5/25)

文/山西 絵美