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インタビュー

Goma

〈料理と音楽のコラボレーション〉って!? 前代未聞の メニューをさらりと仕上げた腕利きシェフ、Goma!


 例えばローリング・ストーンズ『Let It Breed』のジャケで、レコードの上に乗せられた大きなケーキ。もし再生したら、どんなメロディーが聴こえてくるんだろう。そんな〈File Under:FOOD〉な音楽を作り出したのが、創作料理ユニット=Gomaのファースト・ミニ・アルバム『Yum! Yum! Yum!』だ。

「これまで料理を作ったり、雑貨を作ったりしてきたんですが、大好きだけど自分たちだけではできなかった音楽を、コラボレートという形でやってみたくて」(アラキミカ)。

「〈1日の食事〉をコンセプトにして、〈朝ごはん〉〈ランチ〉〈おやつ〉〈ディナー〉〈ナイトドリンク〉というイメージで、5つの歌を作ってもらいました」(中村亮子)。

 今作に楽曲を提供したのは、日ごろから彼女たちとの交流も深い、HARCOやROUND TABLE、クニモンド瀧口(流線形)といった面々。和やかに進んでいったレコーディングは、まるで仲間内のパーティーみたいだ。実際に“Pasta Party”では、ゲスト・ミュージシャンたちを迎えたパーティーの様子がSEとして使用されているほど。

「食器の立てる音とか、笑い声とか、そういうパーティーの音が曲に入るといいかなと思って。じゃあ、本当にパーティーをやってしまおう!ってなったんです。それに顔合わせも絡めちゃおうとか、お礼の意味も兼ねちゃおうとか、どんどん兼ねちゃって(笑)」(遠藤順子)。

「“Little Kitchen”ではHARCOさんがアトリエまで来てくださって、ジャガイモを刻んでみたり、コーヒーメイカーをポコポコ沸かせてみたり、電子レンジの〈チーン!〉っていう音とか、いろんな音をサンプリングして使ってもらったんです」(中村)。

 そのほかROUND TABLEの伊藤利恵子と共演した“うさぎのピクニック”や、3人がチビ声で歌う“Rolling Doughnuts Ring”など、表情豊かで栄養豊富な5品。しかも、曲ごとにGoma特製レシピも付いた本作は、料理と音楽のオイシイ架け橋なのだ。楽しく聴いて、楽しく食べる!

「いろんな素材を組み合わせてひとつのものが生まれるところは、料理と音楽の似てるところだと思うし……」(中村)。

「下ごしらえを丁寧にすれば、いいものができるのも同じ」(遠藤)。

「あと、どちらも生活になくてはならないものですよね」(アラキ)。

 というわけで、今月のシェフのお薦めです。
▼参加アーティストの作品を紹介。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2005年06月30日 12:00

更新: 2005年06月30日 19:26

ソース: 『bounce』 266号(2005/6/25)

文/村尾 泰郎