RYO the SKYWALKER
ヤツが帰ってきた!!――常にジャパニーズ・ダンスホールの未来を見つめ、その強靱なノドを武器にシーンの 牽引者たる活動を続けてきたRYO the SKYWALKER。3年ぶりとなる新作『COME HOME』がスゴイ!!
楽しくて、止めたくなくて
「俺は〈階段役〉だと思ってるから。レゲエ界に興味を持ってもらうための階段やと思ってる。橋渡し役というか」。
――RYO the SKYWALKERがそう話していたのは、前作『Still On Journey』をリリースした2002年のこと。それから3年もの歳月が流れた。その間日本のレゲエ・シーンはさらに巨大化し、かつてジャマイカへの憧れからレゲエを始めた彼自身も変わった。2005年の彼はこう話し出す。
「俺はね、この『COME HOME』でお手本作りはもうエエかなって思ってる。自分を階段にしてレゲエに入ってきてもらいたかったから、ある程度わかりやすくしたり、一方ではハードコアな部分のおもしろさも知ってもらうためにコアな曲を作ったり、いろんなことをやってきたんだけど、今は気持ち的に次の段階へ行けるような気がしてるんですよね」。
ソロのダンスホールDJとして、レゲエのなんたるかを体現してきたRYO the SKYWALKER。次世代となるアーティストの多くが彼からの影響を口にし、現場での支持率も常にトップクラス。ときには他ジャンルとの交流で〈レゲエ外交官〉的な役割も果たしてきた。日本ダンスホール・シーンの進化は彼(と仲間たち)の格闘と挑戦と実験の果てに築き上げられてきたのだ……って少し大仰かもしれないけど、この新作『COME HOME』を聴いていると、そんな気分にもなってくる。ひとまず彼のファースト・アルバム『RYO the SKYWALKER』(2001年)と今作を聴き比べてほしい。そこには4年分の〈格闘〉がしっかりと刻み込まれていて、まったく驚かされるばかりなのだ。
「まず俺の場合、DJってどんなんやろう?ってところから入ってる。それにこんなガナリなスタイルやし、外から見てても〈こんなん続くんかい?〉ってところから始まってると思うんですけど……俺も実際続くんかな?って思ってたんですけど(笑)。でも、やってる本人は楽しくて、止めたくなくて。それでここまで来た。インディーのときから思ってたんですけど、ホンマ〈ないもの〉をやろうとしてるなぁって。だから、お客さんと共に発展してきたような感じですよ」。
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