インタビュー

FASTLANE

UKからの刺客!? エモ界を騒がす大型新人、ファストレーンの極上メロディーに震えなさい!


 ニューウェイヴ系ギター・バンドの台頭が著しい近頃のUKロック・シーン。ついこの間まで新しいバンドを次々に輩出していたパンク/エモ・シーンは、もう下火なのか!? と思いきや、UKにはまだまだこん
なにイキのいい連中がいる! それが、このファストレーンだ。

 音楽好きの同級生が集まったこの5人組は、97年の結成以来ゆっくりと時間をかけて自分たちならではのサウンドを探してきた。

「本当のところはなにがやりたいのか、なにをめざしているのか自分たちでも全然わかってなかったんだ(笑)。ただ、やっているうちに徐々にロック寄りの曲を作るようになってきた。でも、別に意図したわけじゃない。自然とそういうふうになったんだ」(マッティー、ギター:以下同)。

 2003年、デビューEPを発表した彼らはUK国内でじわじわと注目を集め、気がついたときには某ウェブサイトで2万件のダウンロードを記録する注目バンドになっていた。そして、待望のファースト・アルバム『New Start』がついに完成!

「とにかく最高のレコードを作りたかったんだ。だから、デモ作りにたっぷりと時間をかけて、曲をとことん練り上げた。もちろん、新しいアイデアだって試したさ」。

 メタルの影響が色濃い切れ味抜群の演奏と、これぞメロディック!と言いたくなる甘酸っぱい歌メロの組み合わせに加えて、激しいスクリーム、そしてアコギやピアノを使った繊細なアレンジまでを披露したこのデビュー・アルバム。たとえば彼らが今年5月に共演したニュー・ファウンド・グローリーに近いと言えば、その魅力は伝わりやすいかもしれない。しかし、NFGが作品を重ねて辿り着いた地点に、この連中はたった一枚で達してしまった。それこそが新世代の証。

「なんたって俺たちはメタルもロックもポップスもパンクも、メロディーが良ければなんだって好きだからね。だけど、なによりも大事なのは、俺たち自身がイイと思えること。どんな曲に仕上がっても俺たちがハッピーなら、それで十分だよ」。

 そう豪語するファストレーンに、ぜひ注目を!

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掲載: 2005年07月21日 13:00

更新: 2005年07月21日 19:19

ソース: 『bounce』 266号(2005/6/25)

文/山口 智男