Madness
ルードボーイズがふたたび集って、己のルーツをルーディーにカヴァー!!
78年、ロンドンで結成されたマッドネスは、当時のクラブ・シーンにおけるスカ・リヴァイヴァルの盛り上がりと共に、スペシャルズやセレクターなどといったグループと並んで注目を集めていきます……が、いつまで続くかわからないブームにさっさと見切りをつけた彼らは、イアン・デューリーやエルヴィス・コステロが所属していたレーベル=スティッフからファースト・アルバム『One Step Beyond』を発表。以降、スカに留まらない懐深い音楽性を発揮していった彼らは、イギリス国内において80年代でもっともシングルのセールスを記録したアーティストとなるほど絶大な支持を集めていったのでした。グループは86年に解散するも、その評価は90年代に入って再燃。ブラーやスーパー・グラスといった英国ブリット・ポップ勢から、ノー・ダウト、ランシドといった米国パンク勢までが彼らからの影響を公言。そんな煽りを受けて、マッドネスはたびたび再結成ライヴを行い、99年にはオリジナル・メンバーによる15年ぶりのアルバム『Wonderful』を発表したのでした。
さて、そんな彼らが、マッドネス・サウンドの肥やしとなった楽曲をカヴァーしたアルバム『The Dangermen Sessions Volume 1』をリリース。バンド名の由来にもなった楽曲“Madness”のオリジネイター=プリンス・バスターの“Girl Why Don't You?”をはじめ、ブルース・バスターズ、マックス・ロメオ、デスモンド・デッカー、ボブ・マーリーなどといったジャマイカものが当然のように多くを占めるほか、シュープリームスやバーバラ・リンといったR&B、キンクスやホセ・フェリシアーノといったポップ寄りのものまで愛情たっぷりにカヴァー。いかなるきっかけでマッドネスの音楽に辿り着いた方にとっても、さらに音楽の視野を広げてくれる一枚になりそうです。
▼関連盤を紹介。
カテゴリ : インタビューファイル
掲載: 2005年07月28日 13:00
更新: 2005年07月28日 13:15
ソース: 『bounce』 267号(2005/7/25)
文/久保田 泰平