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インタビュー

OK Go

ポップなサウンドから一転! 3年ぶりの新作は、荒削りな骨太ロック・アルバムだ!!


 実に3年ぶりである。シカゴ産パワー・ポップ・バンド=オーケー・ゴーが、大傑作として名高いデビュー作『Ok Go』に続くセカンド・アルバム『Oh No!』を携えて堂々の帰還を果たした。

「前作のツアー後、すぐアルバム作りに取りかかったんだけど、半年かけてボツ曲を作って、半年経ってなんとかモノになり、そしてアルバム作りに半年、リリースされるまでさらに半年と、気がついたら3年が過ぎてたよ(笑)。本当なら鍛冶屋の修行のために活動を休止してたって言いたいところだけど(笑)、実際はツアーや曲作りの毎日だったってわけ」(ダミアン・クーラッシュ、ヴォーカル/ギター:以下同)。

 そんな、苦悩に満ちたアルバムへの長い道程の転機となったのが、最近ではフランツ・フェルディナンドのプロデュースで知られるトーレ・ヨハンソンとの出会いである。

「最初にトーレはこう言ったんだ。〈君たちの曲がラジオから流れてたら、結構いいバンドだなって思うだろう。だけど買いはしない。必要なのは、危険性だ〉とね。彼は大きな視野でアルバム作りを考えて、僕たちがめざす全体像を理解してくれていたんだ」。

 そのトーレ効果もあって、新作はカラフルなパワー・ポップから一転、ザラついた質感を持つ直球のサウンドへと進化を遂げている。

「アルバムのヴィジョンは初めから見えていた。ザラザラとした感じを残しつつムダのない作品を作りたかった。前作は人工的なポップ・アルバムをめざしてたけど、今作はもっと未加工なエネルギーで僕らのライヴをそのまま再現しようとしたんだ」。

 3年という月日は実に長い。しかしその苦悩の果てに、オーケー・ゴーはポジティヴなエネルギーと素晴らしい作品を手に入れた。最後に〈いまハッピーですか?〉と訊いてみると、「ロック・バンドは最高の職業だ」とダミアンは頷いた。

「この仕事をやっていると、トランクをなくしたり、車が故障したり、ツアーでまずい食事ばかり食べさせられてるわけだけど、それでもいつも不思議なチャンスが訪れてくれる。新聞で連載を持ったり、映画音楽を手掛けたり、政治的な集会に参加もした。それに姉から1週間ダンスの振り付けを教わったりね(笑)。どれもバンドをやってるからこそなんだ。これからもそんなふうにいろんなことを楽しんでいきたいな」。

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カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2005年08月11日 11:00

更新: 2005年08月11日 20:45

ソース: 『bounce』 267号(2005/7/25)

文/加賀 龍一