インタビュー

NG HEAD

熱い言葉と太い声でシーンを牽引してきた男が、キャリア10年目にしてファースト・アルバムを投下!


 ジャパレゲ・シーンにおいて10年のキャリアを誇る実力派DJのNG HEADがついにメジャー・デビュー! 古くはJAP jamからリリースされた“ゴルゴ13”でPUSHIMとのナイス・コンビネーションを披露するなど、デビュー当時から衝撃的な存在としてシーンにその名を馳せてきた。PUSHIM、JUMBO MAATCH、TAKAFIN、BOXER KID、RYO the SKYWALKERらと共に活動していたTOKIWA当時から〈西の筆頭〉としてのクルーを牽引する存在感を見せつけ、多数の作品(現在聴けるもの/聴けないものも含めて)に参加。その後もマイペースな活動を続けて、今回のファースト・アルバム『ヘッドライン』にも収録されている楽曲を含んだ数枚のミニ・アルバムをリリースしている。日本のシーンにおいて新たな世代が台頭するなか、現在のシーンと共に長きに渡って成長してきたアーティストだ。

「俺のことを知らない人にとっても、これを聴き終わったときにはNG HEADというよりは俺自身が見えるような一枚にしたかったんですよね。(選曲に対する)OKラインは自分が一度聴き直してみて、これはまだカッコ良く聴けるなって曲を厳選した感じです。それと、ある程度NG HEADのいろんな面が見えるようにしたかったんですよ」。

 今作では彼が楽しんでいる音楽=レゲエとうまく付き合っている姿が描かれていて、そのなかでNG HEADと本田(本名)自身の言葉が曲ごとに見える作品だ。

「自分の弱い部分は本田さんで、〈常識のハイウェイを逆走中~〉とかはNG HEADで……そのバランスは全然意識してなくて、かなり感覚的なんですけどね」。

 彼の表現スタイルには特徴的な声以上にこういった交差が印象深く、より効果的に曲を聴かせてくれる。

「98年の“悪ガキ代表”って曲があるんですけど、これは俺の遊んでいるストリートの歌なんですよ。22~23歳のNG HEADが感じたストリート。で、このアルバムに入っている“ミチシルベ”は30手前のNG HEADが感じたストリートなんですよ。結局はレゲエっていう音楽に振り回されて生きてきたけど、よかったんちゃう!?っていう」。

 10年前もそして現在も、彼の姿がレゲエと共にあるからこそ聞けた言葉。今作は日本におけるこの音楽の成長を見せてくれると共に、言葉/音によって表現された彼のレゲエに対する愛情を感じさせてくれるだろう。

▼NG HEADが参加した作品を紹介

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掲載: 2005年08月11日 15:00

更新: 2005年08月11日 20:21

ソース: 『bounce』 267号(2005/7/25)

文/前田 和彦