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インタビュー

COHEED AND CAMBRIA

甘美でヘヴィーなロック・オペラが開幕! ドラマティックなサウンドを自分の耳で確かめろ!!


 コヒード・アンド・カンブリアはメタルやハードコアを通過したオルタナ世代ならではの感性で〈現代のプログレッシヴ・ロック〉を奏でるNY在住の4人組だ。2003年にリリースされた前作『In Keeping Secrets Of Silent Earth:3』のヒットを足掛かりにメジャー・レーベルに移籍。その彼らが移籍第1弾となるサード・アルバム『Good Apollo, I'm Burning Star IV Volume One:From Fear Through The Eyes Of Madness』を完成させた。

「ツアーを重ねてきたことで、バンドの演奏や曲作りは格段に上達した。それに今回メジャー・レーベルに移籍したことでオーケストラによるストリングス・パートやパーカッション、キーボードなども採り入れることができた。(新作は)バンドにとって興味深いステップアップになったよ。俺たちが楽しんだように、君たちも楽しめるはずさ」。

 美しいメロディーを紡ぎだすそのハイトーン・ヴォイスでリスナーを魅了するクラウディオ・サンチェ(ヴォーカル/ギター:以下同)は、新作について自信たっぷりに語る。

 ちなみに、新作を含めて彼らがこれまでリリースしてきた計3枚のアルバムは、すべてコヒードとカンブリアの夫婦を主人公とする〈The Bag On Line Adventures〉なるSF物語に基づいた、いわゆるコンセプト・アルバムで(それが現代のプログレ・バンドと言われる由縁でもある)、今作はその第4章の前編にあたる。

「今回は物語から抜け出て、ストーリーテラーの視点で物語を捉えつつ、物語がストーリーテラー、つまり作者である俺自身にどういった影響を及ぼしたかということも描いている。パラレル・ワールドってあるだろ? 今回はそれをやりたかったんだ」。

 これまでライヴではアルバムのコンセプトからはあえて離れ、あくまでもロック・バンドとして、エネルギッシュなパフォーマンスをアピールしてきた。しかし、リスナーを異世界に誘い込む壮大なロック・オペラを作り上げたいま、彼らは脱ロック・バンドを掲げて、コンセプチュアルな部分をステージでも表現しようと考えている。

「今度のヘッドライナー・ツアーでは、物語の核となる翼を持ったギロチンを舞台セットとして使おうと考えているんだ。ほかにもいろいろな小道具を使うつもりだよ。かなりエキサイティングなライヴになるだろうね」。

 今年の〈フジロック〉でのキャンセルが惜しまれるだけに、壮大なロック・オペラをぜひここ日本でも再現してほしいものだ。

「日本にはまだ一度しか行ったことがないから、早く行きたくて仕方ないんだ。日本のファンに言いたいことは、まさにこれさ。ごめん。じきに行けると思うよ!」。
▼コヒード・アンド・カンブリアの作品を紹介。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2005年09月29日 12:00

更新: 2005年09月29日 18:48

ソース: 『bounce』 269号(2005/9/25)

文/山口 智男