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インタビュー

DACHAMBO

自由な感覚による有機的なセッションから生まれる、独自のダンス・ミュージック!


 グレイトフル・デッドが蒔いた種をフィッシュが育て、さらにはそれが海を渡って、苗木から森へ……。メディアにその動向が逐一報告されているわけではないけれど、日本の音楽風景は有機的なセッションを滋養にライヴ現場からじわじわと確実に変わりつつある。〈フジロック〉、そして福岡の〈サンセット〉と、今年開催された野外フェスティヴァルにおける最高の舞台を経験し、注目を集めつつあるDachamboは、その変化の好例といえる6人組バンドだ。

「Dachamboの前にリズム&ブルースのバンドをやっていたんですけど、そういう音楽を日本語でやっていることがつまらなくなって、1年ほど休んでいたんです。で、その間に初めてクラブや山のレイヴに行ったり、ものすごい遊んだんですね。そこで〈あ、世の中、こういうことが起こってるんだ〉と薄々感じはじめたんですけど、それと同じ流れでフィッシュやグレイトフル・デッドを知って、自分の流れが逸れていったっていう。そこでの自由な感覚を頼りに始めたのが今のこのバンドなんです」(AO、ギター/ヴォーカル)。

 その後、トリプル・ドラムとディジュリドゥをフィーチャーした編成のもと、打ち込み/生演奏の垣根を越えた快楽指数の高いセッションを繰り広げてきた彼らは〈いま〉という瞬間を楽しむことだけ考え、それを実践することで、今作『A Live Fool On The Moon』に辿り着いた。

「今回はライヴを軸にいろんな側面を見せて、このバンドはこういうふうにも遊べるよっていう部分がわかるようになってるかな、と。まぁ、今まででいちばんリラックスした作品ですよね」(BUKKABILLY/ドラム)。

 トランス、アフロ、ダブ、ファンク、果てはヘヴィー・ロックまでありとあらゆる音楽がぶつかったり、溶け合ったり、はたまた現れたり、消えたりと、目まぐるしく展開する彼らの音楽は、〈踊れるものである〉ということ以外これといったルールがない。

「まぁ、とりあえず、楽器を持って演奏しているのはこの6人なんですけど、〈俺もDachamboだ!〉って思った人はみんなDachamboなんですよ (笑)」(AO)。
▼Dachamboの作品を紹介。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2005年09月29日 13:00

更新: 2005年09月29日 18:47

ソース: 『bounce』 269号(2005/9/25)

文/小野田 雄