こんにちは、ゲスト

ショッピングカート

インタビュー

HALFBY

とめどなく溢れ出るアイデアを詰め込んで、あらゆるジャンルを越境する痛快な新作!

 もう、とにかく最高にキャッチー! ブレイクビーツを主軸としたファンキーなビートにロックやジャズ、ボッサ、果てはカリプソまでをも呑み込んだ数々のサンプリング・ソースが融合した高橋孝博のソロ・ユニット、HALFBYのファースト・アルバム『green hours』は、まるでディズニーランドのファンタジーと浅草花やしきのキッチュさ、その他世界中のキュートな風景をミキサーでシェイクして出来たドリーム・ドリンクみたいに美味しくって、なんとも素敵なアルバムなのだ。

「今まで特定のジャンルにハマったっていう経験がなくて。高校生くらいの時に〈サバービア〉ブームがあったせいか、もともと音楽の聴き方がすごく雑多なんですよ。ロックもジャズもサントラもヒップホップも何でも聴くっていう。僕はDJもするんですが音を作ることもDJも同じで、ただハウスだけのアルバムやヒップホップだけの音を作るのってつまらないと思うんです。自身の感覚でいろんなタイプの音楽のおもしろい部分を編集して、自分のなかに持っている〈HALFBY感〉をリアルに音にしたいという願望があって。それはアルバムに表れていると思いますね」。

 DJとして活動していた彼が、CUBISMO GRAFICOの松田〈チャーベ〉岳ニにリミックスを依頼されたことがきっかけで音作りに目覚め、2002年にリリースしたファースト・シングル“AND THE COCONUT EP”が異例の大ヒットを記録。その後も小西康陽からのラヴコールを受けたり、HALCALIやm-floなどのリミキサーとして常に注目を集め続け、今夏には映画「SUMMER TIMEMACHINE BLUES」の劇中音楽を担当するという快挙も! ますます活動の幅を広げる彼に、今後のヴィジョンを訊いてみると……。

「アルバムではできなかったんですけど、ヴォーカリストを呼んでカヴァー曲をやるっていう計画があるんで、これは近いうちにやってみたいと思ってますね」。

 そう語る彼の頭の中は、すでにたくさんのアイデアでいっぱいのはず。これからどんな新しいHALFBYワールドを見せてくれるんだろう? それが今から楽しみで仕方ない!
▼関連盤を紹介。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2005年10月20日 11:00

更新: 2005年10月27日 18:13

ソース: 『bounce』 269号(2005/9/25)

文/aokinoko