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インタビュー

Underground Resistance

UR軍団の襲来が続いた記念すべき2005年。その締め括りは……星空のならず者たちが強力な新作を携えて帰ってきた!!

 ギャラクシー2ギャラクシーが待望のファースト・アルバム『Hi-Tech Jazz Compilation』をリリースし、奇跡とも思われた来日(しかも2度!)を果たすなど、デトロイト・テクノにそれほど入れ込んでいない人であろうと、2005年はアンダーグラウンド・レジスタンス(以下UR)の存在を強く印象づけられた年として記憶に残ったのではないだろうか。しかし、サプライズはそれだけではなかった! なんとマッド・マイクが同じ志を持つ仲間を率いて、URとして8年ぶりにオリジナル・アルバムをリリース! 今回の作品『Interstellar Fugitives Pt. 2 : Destruction Of Order』は、デトロイトの歴史的背景とURの提唱するレジスタンス運動をコンセプトに制作された彼らのアルバム『Interstellar Fugitives』(98年)の続編にあたる、2枚組31曲の壮大な作品集になっている。

  さらに驚くべきは、URのメンバーたちが日本の某都市に密かに集結(!)してレコーディングを敢行したという点である。結果として各曲には彼らが多大なリスペクトを払っている日本文化やその背景からの影響がフィードバックされているわけで、われわれ日本に暮らすリスナーにとっても感慨深くスペシャルな作品ということになる。アルバムにはダーク・エレクトロから、ミニマル調トラック、ノイジーなゲットー・テック、オリエンタルな雰囲気のもの、またロッキンなギターとアジテイトするヴォーカルがフィーチャーされた曲など、さまざまなアプローチを試みたトラックが顔を並べている。生音を目立たせてメロウなフレーズも印象的だったギャラクシー2ギャラクシーの音作りに比べて、よりエレクトリックで、より未来的感覚を有し、より重厚で不穏な空気に支配された緊張感漲る仕上がりとなっている。ゆえに、彼らが楽曲に込めたメッセージも、よりリアルに感じ取れるようになっているはずだ。

  また今回の新作リリースに合わせて、入手困難になっていた先述のアルバム『Interstellar Fugitives』も日本盤として再リリースの運びとなった。しかも2曲が現メンバーによる別トラックに差し替えられており、彼らの本気度を測るには十分すぎるリリースとなっているのではないだろうか。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2006年01月12日 18:00

ソース: 『bounce』 272号(2005/12/25)

文/青木 正之