インタビュー

yoheyOKAMOTO

優しいアコースティック・サウンドが潮風に乗って吹き込んできた!!


“ROCK IT NOW!”“アクション”などのヒット・シングルを連発し、そのユーモアとポップセンスですべてを笑い飛ばしてくれたロック・バンド、Hermann H. & The Pacemakers。そのメイン・ソングライターにしてヴォーカル/ギターを担当していた岡本洋平が、バンド休止後の昨夏より〈yoheyOKAMOTO〉としてソロ活動を始めたという噂はあちこちで話題になっていたが、このたび同名義でのファースト・アルバム『LOCAL FOCUS』が到着した。これが意外にも、オーガニックな佇まいのアコースティック・スタイルで……。

「僕にとって海は身近な存在で、海辺で生活をするスタイルが素晴らしいと思っていて。そういう生活を知らない人が僕の音楽を聴いて〈ああ、こんなスタイルもアリなのかな〉って潮風の心地良さを感じてくれればいいし、それを感じさせることができるのが音楽だから」。

 波がある日にはサーフィンをし、友人や家族との会話を大切にしながらマイペースに暮らすなかで生まれてきた楽曲は、何かを押し付けたり誇示したりするわけでもなく、そっと傍に寄り添ってくれるような安心感に満ちている。そのサウンドを支えるのはアコースティック・ギターやウクレレ、パーカッションなどの温かな鳴りの楽器たち。

「もっといろんな展開を付けたり、メッセージやストーリーを織り込むことはできるけど、少ない言葉で最大限に伝わることと、少ない音で〈だから寂しいことは何もない〉ってサウンドをちゃんと作りたかったんですよ」。

 飾らない日常の心地良さ……「短パン、ビーサンでも同じことができればいいな」と彼は笑っていたが、バンド時代にあった照れや笑いを脱ぎ捨てた、シンプルで自然体なサウンドがこの『LOCAL FOCUS』における最大の魅力だろう。

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掲載: 2006年03月16日 00:00

更新: 2006年03月16日 23:18

ソース: 『bounce』 273号(2006/2/25)

文/斉藤 ジョゼ