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インタビュー

Tiga

ファースト・アルバムがようやく登場!! ティガが誘うセクシーな夢の世界とは!?


「最高だったよ。日本に行ったのも初めてだったから、凄く感動したな。見るもの全部が目新しくて、日本が大好きになったよ。フェスティヴァル自体も印象的で、特にお客さんの盛り上がりぶりにビックリしたね。みんな凄く音楽に夢中になっているのがわかったし、反応も素晴らしかったと思う」。

 昨年の〈ELECTRAGLIDE〉でようやく叶った初来日の感想を、興奮気味にこう語ってくれたティガ。〈Love Parade〉で話題をさらった特大アンセム“Sunglasses At Night”のリリース、ユニークなミックス・スタイルを披露した〈DJ-Kicks〉と、ここ数年は常にシーンの中心にいた彼が、ついに初めてのオリジナル・アルバム『Sexor』を完成させた。

「コンセプトはないけれど、繰り返し出てくるテーマとしては〈想像に身を任せること〉かな。それから〈Sexor〉という想像の世界、つまり僕の夢の世界もテーマとなってるんだ」。

 中性的なルックス、そして〈80年代〉というキーワードだけでは括れない個性を持つだけに、その世界観も独創的なものかと思いきや、先行シングル“You Gonna Want Me”は「誰かが自分に恋した時にはもう遅すぎる、って内容の凄くシンプルな曲なんだ」なんて、われわれでも共感できそうな歌詞だったりする。その反面、サウンドは予想をちょっと裏切る形に。本人も「あえて挑戦してみたかったんだ……僕にとってはやったことのないことだったし、それにダンス・フロアやDJユースなものより、家でも聴ける作品を作りたかったから」と話すように、もともと彼が持っていたポップ感とコアなテクノ・ファンも納得できるトラックが噛み合った楽曲は、どれも3~5分程度にまとめられたコンパクト・サイズ。印象的なフックもバンバン飛び出すし、ティガのヴォーカルにも味がある。そして「僕の親友なんだ」というソウルワックスやイェスパー・ダールバックが脇を固め、ポップス好きからテクノ・ファンまでが本気で楽しめる内容だ。パブリック・エナミーやトーキング・ヘッズ、ナイン・インチ・ネイルズのカヴァーもあるしね! そこで気になるのが今作でのツアー。この内容ならDJじゃなくてバンドでのパフォーマンスが観たいんだけど、どうだろう?

「いや、いまはまだだね。DJのみになる予定だよ。将来的にはライヴもやるかもしれないけど……それはお星様にしかわからないね」。

 最後の最後で王子様みたいなルックスどおりのメルヘンチック(?)な回答が……。

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カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2006年03月16日 11:00

更新: 2006年03月16日 15:33

ソース: 『bounce』 273号(2006/2/25)

文/青木 正之