インタビュー

MINMI

アーティストとしての幅をグングン拡げ、過去最高にヴァラエティー豊かでナチュラルな作品が登場……彼女のありのままの姿とは!?


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 2002年にリリースした大ヒット・シングル“The Perfect Vision”以降、レゲエ~ヒップホップ~R&Bの枠を越えてその名を広く知らしめたMINMI。最近では作詞/作曲/プロデュースもこなすマルチなアーティストでありながら、大阪を代表するサウンド・クルーであるRED SPIDERのJUNIORとジャマイカでレーベル=ZAREKを立ち上げたり、湘南乃風らとクラブ・イヴェント〈西麻布伝説〉をオーガナイズするなど、多岐に渡る活動でもその本領を発揮。今年2月には、ソカの発祥地トリニダード・トバゴで行われた大規模なカーニヴァルに日本人として初めて出演するという大役もこなし、その活躍にはいよいよ目を見張るばかりだ。

 そのようにノリにノッている彼女が、サード・アルバム『Natural』をリリースする。2枚の大ヒット・アルバムと、インディー時代からのコラボ&フィーチャリング曲を集めた『FRIENDS ~MINMI FEATURING WORKS BEST~』をこれまでにリリースしてきたことで、もはや自己紹介的な前フリなどが必要なくなったからだろうか、今回のアルバムはMINMI自身が好きだと感じた音を彼女自身の気持ち良いと思う形に仕上げた、まさにナチュラルな一枚となっている。

「前作『imagine』の制作でジャマイカへ行った時にラスタマンから〈ナチュラル〉って言葉を聞いて、良い意味でのショックを受けたというか。そのときから〈ナチュラルに出逢っていくものを音楽にしていこう〉みたいなのがあって。いままでよりも感性に従った曲が多いのは、自分のナチュラルさを出し切りたかったからなんですよ」。

 湘南乃風を迎えた“YO WELL”はおもしろモード全開だし、“アイラ”は〈アイランド〉を勝手に略した造語だったりと、自由な発想&ユーモアのセンスをふんだんに採り入れているのも今作の特徴。そんな茶目っ気を垣間見せる一方、“紫陽花”では艶やかなジャズ・セッションを披露し、“Superstitous”ではセクシーなR&Bを歌い、ラストの表題曲ではありのままの自分を受け入れることの素晴らしさを語りかける……。アルバム全体としては曲調もメッセージもヴァラエティー豊かなのに、すべてがMINMIの下ですっぽりひとつに収まっているのは、どの曲も彼女の素顔を映し出しているからにほかならない。

「ナチュラルでいることって凄く勇気のいることだと思うんですよ。自分の考え方が世の中の常識と違う時もあるだろうし。でも、そこにこそ人それぞれの魅力と真の強さがあることを忘れないでほしいな、と思いますね」。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2006年04月13日 00:00

更新: 2006年04月13日 19:32

ソース: 『bounce』 274号(2006/3/25)

文/佐藤 チアキ