インタビュー

LAULA

独自のポップセンスに脱帽!の最新ハワイアン・サウンドに注目!!


 いい季節がやってきたんだなぁ……そう思ったのは、この原稿を書いてる今日がポカポカといい天気だったからではなく、LAULAのニュー・アルバム『MEA PUNAHELE』が素晴らしいから。ハワイアンをベースに、昔懐かしい温もりを持ったポップ・フレイヴァーもふんだんに盛り込んだ湘南出身のこのデュオが結成されたのは99年(当初は3人組だったとか)。かつては 「ジャック・ジョンソンがどこかで〈バーベキュー・ミュージックって呼ばれるのが嬉しい〉って言ってたんですけど、僕らもそういう感じでワイワイやってるのが楽しかったんですよね」(松井貴志、ヴォーカル/ギター)というノリだったようだが、2003年にミニ・アルバム『カリコルア』でデビューし、地元を中心にライヴ活動を重ねていくなかで確実に人気を獲得。最近では横浜BLITZのような大バコでのライヴもソールドアウトするほどの過熱ぶりだ。「嬉しいですよね。〈いいの、こんなに来ちゃって?〉みたいな感じもあるんですけど(笑)」(来海大、ウクレレ/ヴォーカル)と話して屈託なく笑うふたりだが、今回の新作は彼らの成長がしっかりと刻み込まれた充実の出来。

「オリジナルでも、トラディショナルでもLAULAの色がより出せるようになったと思うんです。統一感がないようで、僕らなりの統一感を出せた気がするんですよ」(松井)。

「それが理想ですしね」(来海)。

 地元への愛着を“江ノ電 -旅立ちの章-”(名曲!!)などで表現しつつ、「音楽を通じてアロハ・スピリットを伝えるような、深いものが詰まっているのがハワイアン」(松井)と自身のルーツも見つめ続ける。「気持ち良く歌えれば、その気持ち良さって伝わるものだと思う」(松井)……そんなシンプルなヴィジョンが形になった今作は、ハワイ発・湘南経由の優しい風をあなたにも届けてくれるはずだ。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2006年06月08日 14:00

更新: 2006年06月08日 20:03

ソース: 『bounce』 276号(2006/5/25)

文/大石 始