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インタビュー

the ARROWS

名古屋から全国区へ! ロック界の明日を担う注目バンドの登場だ!!


 天むす、味噌カツ、小倉トーストといった〈コラボフード〉を例に挙げるまでもなく、名古屋の文化は折衷上手な文化である。いろんなモノを自分たちなりにアレンジするのはお手のもの。一見不釣合いながらも仕上がった味は結構イケてたりする。メンバー全員が同じ高校出身で、いまでもその街に暮らすthe ARROWSの音もまさにソレ。あくまでロックを基調としつつも、ディスコやレゲエ、サンバ、カントリーなどいろんな要素をゴッタ煮したそのサウンドは、貪欲なミックス欲とオーディエンスを飽きさせない気概に満ちている。作詞作曲のほとんどを手掛けるのはヴォーカルの坂井竜二だ。

「高校の頃はビートルズのコピー・バンドをやってたんですけど、そのうちブリット・ポップの洗礼を受け、クラブに通い出し、ソウルやジャズの流れるバーでバイトしたりと、いろんな音が流れる場に身を置いていたのがいまに活きてますね」(坂井:以下同)。

 大学在学時に現メンバーの山内貴之(ギター)、岩原俊司(ギター)、坂井“キャンディ”昌英(ベース)らとバンドを結成し、インディーでアルバムとシングルを3枚ずつ発表。そのなかから10曲を厳選&リテイクし、シングルと書き下ろし曲を加えたメジャー・デビュー・アルバム『ARROW HELLO WONDERFUL WORLD』。言ってみれば、現時点でのベスト的な内容だ。

「歌詞のこだわりは死語が好きなことですかね。〈ナイスバディー〉とか〈摩天楼〉とか(笑)。(昔の歌謡曲や青春ドラマで描かれていた)誰もが感じるワクワク感とかホロ苦さを大事にしたい。僕は飽きっぽい性格なんですけど、だからこそこの作品は飽きずに楽しめて、アッという間に終わる64分にしたかったし、実際そうなってる自信もあります!」。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2006年07月27日 22:00

ソース: 『bounce』 278号(2006/7/25)

文/宗像 幸彦