インタビュー

WICKED WISDOM

大物女優がロック界に殴り込み!? パワフルなヴォーカルは相当パンチが効いてるゼ!!


 バンド名を冠したファースト・アルバム『Wicked Wisdom』で本格デビューを果たすウィックド・ウィズダムは、女優としてすでに確固たるキャリアを築き上げているジェイダ・ピンケット・スミス(代表作は「アリ」や「マトリックス リローデッド」など)率いる5人組だ。

「ザ・フーの大ファンだった母の影響ね。子供の頃はメタリカやガンズ&ローゼズが大好きだったわ」と語るジェイダ(以下同)が3年前、フィッシュボーンの元ドラマーであるフィッシュら旧友たちと長年の夢を実現させたことがこのバンドの始まりだった。

言っておくが、女優としての成功がそのままロック・シンガーとしての成功に繋がるほど、ロックの世界は甘くはない。しかし、地元LAでライヴをやっていたところをあのシャロン・オズボーンに見い出されて、レコード契約前にも関わらず2005年の〈オズフェスト〉に大抜擢されたということは、やはりジェイダがロック・シンガーとしても類い稀なる才能と、しっかりした眼差しを持っていたということだろう。事実、「多くのエッジーなアーティストを抱え、音楽界の状況を変えようとしている点に共感した」という理由で契約したサバーバン・ノイズ傘下の100%ウーマンからリリースされた今作に収録されているヘヴィー・ロック・ナンバーの数々を聴けば、ジェイダと彼女の仲間たちがいかに本気であるかが理解できるはずだ(自身も「最近は俳優業よりバンド活動を優先しているの」と語っている)。

 また、日本盤のボーナス・トラックとして収められているウィル・スミス(ジェイダのダンナ)によるリミックスも話題のひとつだろう。

「もちろん、ウィルは私たちの音楽を愛しているわ。彼も私と同じように自分の中に境界線を持っていないのよ」。

 突如現れたこの新星=ウィックド・ウィズダムは、ヘヴィー・ロック・ファンならずとも要チェックだ!
▼関連盤を紹介。

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掲載: 2006年07月27日 22:00

ソース: 『bounce』 278号(2006/7/25)

文/山口 智男