インタビュー

サケロックオールスターズ

SAKEROCK+高田漣+ASA-CHANGの化学反応が、エキゾなムードのアルバムを生み出した!! 


 SAKEROCKと高田漣の打ち合わせ現場にたまたまASA-CHANGから電話が入り、そのまま合流することが決定。良い音を鳴らす3組のアーティストによる夢の合体バンド=サケロックオールスターズはこうして誕生した。各々がこれまでやりたくてもできなかった曲や、細野晴臣の“PomPom蒸気”、ASKAの“はじまりは いつも雨”という、ある意味新鮮なカヴァー曲を持ち寄り、3日間の合宿レコーディングで完成したアルバムがこの『トロピカル道中』だ。郷愁を誘う日本的なメロディーと南国情緒に溢れるアレンジ、そしてメンバーの人柄まで詰まっているかのような楽曲の数々に、アナタの心は彼らの奏でるトロピカルな世界へと誘われてしまうはずだ。

「SAKEROCKと僕だけだとそれなりのものだったと思うけど、ASA-CHANGというスパイスが入って完成したなって。録音も1曲1曲仕上げる方式で、絶えず満足感がありました。何か運気を呼ぶ流れがある3日間でした(笑)」(高田漣、ギター)。

「“PomPom蒸気”では、ひどすぎるハマケン(浜野謙太、トロンボーン)の仮歌を聴きながら、我慢してASA-CHANGに歌ってもらって、オートチューンで加工したらすごくおもしろくなったり(笑)。現場で曲を録るごとに流れが出来て、サケロックオールスターズの音になっていったんです」(星野源、ギター)。

「だからこれをコラボとか言われたくないんです。実際そういう感じじゃなく録れたし、そうとは聴こえないと思うんです。良い意味での無責任感はあったけど、とはいえ〈巡礼〉とかとまったく同じ気持ちで臨んだし。これをエキゾ音楽の系譜に入れることもできるけど、心の機微が出てるんです。人生の泣き笑いみたいのがね。〈オレらハッピーな良いヴァイブで作りました〉ってヤツもいるけど、こっちとしては大マジメで切磋琢磨して作ったんだからね」(ASA-CHANG、パーカッション/ヴォーカル)。

 バンド名に〈サケロック〉と入ってはいるものの、決して彼らはSAKEROCKの別ユニットではない。3者のパワー・バランスがガッチリ噛み合った奇跡の瞬間をご堪能あれ!
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掲載: 2006年08月31日 22:00

ソース: 『bounce』 279号(2006/8/25)

文/土屋 恵介