インタビュー

The Miceteeth

原点回帰の新作は、さらなる飛躍を予感させるこだわりの勝負作!!


  ホーン・セクションの4人が脱退し、装いも新たに活動を展開するThe Miceteethからニュー・アルバム『CONSTANT MUSIC 2』が届けられた。「スカでもいいし、スカじゃなくてもいいし。そのへんにもあまりこだわらなくなりました(笑)」というヴォーカルの次松大助(発言:以下同)の言葉どおり、彼らの代名詞ともいえる、じんわりと心温まる歌ものロックステディから、フリージャズ風のインプロヴィゼーションが展開されるアヴァンギャルドなセッション・ナンバーまで、今作に収められたヴァラエティー豊かな楽曲には、いまの彼らが持ち得たバンドとしてのフレキシブルな姿勢が色濃く反映されている。

「前のアルバムから自分らのスタジオを持つようになって、時間や料金の制限がなくなったのもすごく大きいと思う。練習が終わったあとにみんなでセッションをするようになって、今回のアルバムには、それが元になって出来た曲も入っていたり。曲に対する自由度は、かなり増していると思います」。

 また今作のレコーディングでは、2002年発表の初CD作品『CONSTANT MUSIC』以来、久々にマイクのセットから何まで、あらゆる作業をメンバーみずからが行ったのだという。

「レコーディング・エンジニアも立てていないんですよ。他の人の色がついた音よりも、自分らが出すそのままの音を入れたほうがいいんちゃう?って」。

 結成から7年を経て、バンドとしての大きなターニング・ポイントを迎えたThe Miceteeth。アルバム・タイトルからも易々と想像できるように、今作は彼らにとっての〈原点回帰作〉であると同時に、彼らが自分たちの〈生身〉をいかに克明に伝えられるかということに強く意識を注いだ、ある種の〈勝負作〉でもあるのだ。

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掲載: 2006年09月07日 20:00

更新: 2006年09月07日 21:30

ソース: 『bounce』 279号(2006/8/25)

文/望月 哲