インタビュー

lecca

ダンスホールの海原を牛耳る女海賊が、新たな航海へ乗り出した!


  ヒップホップやR&B、レゲエを消化~吸収し、みずからトラック制作もこなしてしまう稀有な存在の新世代レゲエDJ=lecca。彼女のメジャー・デビュー・ミニ・アルバム『Dreamer』が与えた強烈なインパクトからわずか4か月。まだその熱が冷めやらぬ間に、待望のファースト・アルバム『URBAN PIRATES』がリリースされた。『Dreamer』で5曲5様のスキルを証明したばかりの彼女だが、本作ではその領域をさらに拡大。〈都会の海賊〉に扮し、新たなleccaサウンドを追求する航海に出た。

「前作でleccaというアーティストがシーンに現れたとしたら、今作では船を漕ぎ出して新たな冒険に出発、そして次なる針路を指し示したかったんですよ」。

 そう語る今作は、彼女の制作した原曲を、Dawn TownやNao'ymt、DUBSENSEMANIA、そしてReggae Disco Rockersといったトラックメイカーやミュージシャンたちがアレンジし、仕上げのミックスもD.O.Iが施しているというこだわりの逸品だ。

「今回はいろんな方にアレンジしてもらったことで、嬉しい驚きや発見がたくさんありましたね。生音が入ったり、ダブ処理をしたりと、まるで普段しないメイクをされた気分というか(笑)。内容についてもダンスホール直球曲や片想いの曲、精神面についての曲などをバランス良く選曲して色鮮やかなサウンドとメッセージを詰めることができたので、これまで以上に幅の広さを楽しんでもらえたら嬉しいです」。

 分厚さが増したサウンドもさることながら、特筆すべきは彼女特有のぶっとくも凛とした歌声、そしてキュートさと力強さを兼ね備えたリアルなリリックだろう。レゲエ・シーンにおいて無二の閃光を放つ彼女の存在がますます気になる、海賊ならぬ快作の登場だ。

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掲載: 2006年09月07日 20:00

更新: 2006年09月07日 21:59

ソース: 『bounce』 279号(2006/8/25)

文/佐藤 チアキ