インタビュー

DJ KAWASAKI

世界のハウス~クロスオーヴァー・シーンで話題の〈カワサキ・ビート〉が彩る初アルバムが完成!


 TAKUJI a.k.a. GEETEKと組んだG.K.での活動から約3年を経て、DJ KAWASAKIが初のソロ・アルバム『BEAUTIFUL』を完成させた。Karin、アンジェラ・ジョンソン、レディ・アルマ、そしてアーネストなど国内外の豪華ヴォーカリストたちが参加した本作だが、サウンドにおける機軸はずばり〈ハウス〉。4つ打ちとBPM120前後のピッチが基本だが、NY直系のディープ・ハウスからラテン~ブギー・タッチのトラックなど、楽曲ごとに細部で巧みに変化をつけることで冗長さを排し、何度聴いても飽きさせないドラマティックな構成が印象的な作品に仕上がっている。

「実はハウスに限らずいろいろやろうとしていたんですけど、途中からポイントを絞ってハウスを意識しはじめて……。基本的に気持ち良くて温かい曲が好きなので、そういう意味でも自分の嗜好を表現するフォーマットとして、ハウスはピッタリでした」。

 NYハウス・シーンを代表するDJ、ティミー・レジスフォードのヘヴィー・プレイをきっかけに、アルバムにも収録されている “BLAZIN'”がヒサ・イシオカの目に止まりキング・ストリートから12インチ化されるなど、すでに国際的な評価も高いDJ KAWASAKI。お仕着せではない海外進出も、世界中のクラブ・シーンと密接にリンクしている〈THE ROOM〉という空間に身を置くDJだからこそ可能だったのだろう。また、「DJではなく、プロデューサー」とみずからを分析する彼が本作で描いてみせた世界は、どこを切ってもソウルフルで大らかなムードに統一されていて、なるほどよくオーガナイズされている。

「自分の曲で10曲のDJセットを組み立てたような意識ですね。そういうセンスはDJ独特のものだと思うから、DJをやっていてよかったなと思います」。

 細部までこだわり抜いたトラックと普遍的な魅力を持つメロディーを武器に頭角を現しつつあるDJ KAWASAKI。今後の活躍にも期待せずにはいられない!
▼関連盤を紹介。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2006年09月14日 14:00

更新: 2006年09月14日 19:43

ソース: 『bounce』 279号(2006/8/25)

文/牛島 絢也