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インタビュー

スパルタローカルズ

よりシンプルに、ストレートに。感情が沸騰するロックンロール!!


 求めたものは「リズムの安定感とパッション」(安部コウセイ、ヴォーカル:以下同)だと言う。5作目にしてバンド名を冠したニュー・アルバム『スパルタローカルズ』に僕はドキドキしている。ギラギラと迫り、つんのめっていくビート感に。キラキラと煌めき突き抜けるポップ感に。このリズムとパッションの結実に。きっと彼らが〈モノホンロックにビンタされた〉時のように。

「今回、パンクやなぁと思う。コレ作る前に〈PUNK:ATTITUDE〉っていうDVDを観たんですよ。それがめちゃめちゃ良くて。その影響はデカイですね」。

「PUNK:ATTITUDE」に居並ぶ面々、また刺激的なアーティストだと列挙されるアナログフィッシュや銀杏BOYZらを見れば、〈パンク〉とはジャンル云々ではなくその姿勢(アティテュード)であることは瞭然。ギリギリの昂りを極めんとするストイックな姿勢は彼らの向かうところであり、その率直さは今作における安倍の表現にも表れている。

「これまでやったら考えられんでしょう? “ばかやろう”とか“I LOVE YOU”とか(笑)。ずっと憧れはあったんですよ、そういうストレートな表現に。けどやっぱ、恥ずかしかったんでしょうね。いまはそんなのどうでもいい、本当にそう感じて言いたいなと思ったから、そのまんま書いた。そこで闘わんとダメやろう、と。サブカルとかクソだと思ってますから。わかる人にはわかるとか、そんなトコに興味はない。実際闘ってる人たちはたくさんおるし、俺らはそこで勝負したい。そもそもロックなんて所詮戯れ言やし……誰も救えんし。もちろんいろいろありますよ、考えてることも、深いトコも。でもそれを押し付けたくない。聴いて、楽しんで、踊ってくれればいい。そこでいっぱい想像してほしくて」。

 この瞬間のパッションこそ永遠と続く希望の証。だから僕はギュッと昂って、踊る。ねぇ、キミもいっしょにどうだい?

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2006年09月21日 14:00

更新: 2006年09月21日 21:08

ソース: 『bounce』 279号(2006/8/25)

文/山崎 聡美