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インタビュー

オトナモード

どこか懐かしげなアコースティック・サウンドが話題のバンドによる待望のファースト・アルバム!


 クラシックの印象派にも通じる絵画的なアレンジと、質の高いソングライティングが印象的な5人組バンド、オトナモードが初のフル・アルバムとなる『憧れの花』をリリース。本作の軸になるのは、“憧れ”と“線路は続くよどこまでも”の2曲だと高橋啓太(ヴォーカル/ギター)は言う。

「〈線路〉はオトナモードを結成する前に作った曲なんですけど、〈この先、どうなるんだろう〉という不安と〈それでも、大切なものは失いたくない〉という気持ちがどっちも入ってるんですよね。“憧れ”はベースの林が加入した頃に出来上がった曲。彼が入ってくれたことでバンドがひとつにまとまったということもあって、思い出深い曲です」(高橋)。

 高橋が提示する楽曲に対して、他のメンバーが色を加えていく、というスタイルは本作でさらに精度を増している。曲が始まった瞬間にふと映像が浮かぶ、その感覚はとても独特で、何度でも味わいたくなる気持ち良さがある。

「アレンジを決めるときは、抽象的な話がほとんどなんですよ」(伊藤真一、ギター)。

「〈たくさんのビー玉を床にばらまいたときの音〉とか(笑)」(山本健太、キーボード)。

「例えば〈風が吹いているような感じ〉っていっても、そのニュアンスはいろいろあるじゃないですか。最近はようやく、〈こういうことを言ってるんだろうな〉ってわかってきましたけどね」(小野田尚史、ドラムス)。

「最初の頃は戸惑いましたけど、こういうやり方もあるんだな、って楽しめるようになってきました」(林陽介、ベース)。

「でも、中心にあるのは〈歌〉なんですよ。『小さな旅』をリリースして、ライヴを重ねるなかで、もっといろんな人とコミュニケーションを取りたい、と思うようになった。そのためには〈いい歌〉が大事なんですよね」(高橋)。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2006年09月28日 20:00

更新: 2006年09月28日 22:20

ソース: 『bounce』 280号(2006/9/25)

文/森 朋之