インタビュー

DACHAMBO

魂も踊り出す目眩くスペース・ジャム・セッションを体感しよう!


 ハウスやテクノ、そしてトランスをミックス・アップした昂揚感溢れる“Nothing in my pocket”があるかと思えば、アーシーな高速リズム&ブルース“TOO MUCH SHY(TO SHINE)”、はたまたソング・オリエンテッドな“Melody for everyway”と、極彩色なヴァリエーションはそのままに、雑多な要素をダンス・ミュージックの名の下に違和感なく聴かせるジャム・バンド、Dachambo。そんな彼らが、結成5年目にニュー・アルバム『Newrasian Gypsies』を完成させた。

「構成を組んだデジタル録音の1作目、アナログの一発録りの2作目、ライヴ的な3作目ときて、今回はいままでの集大成ですね」(AO、ギター/ヴォーカル)。

「各地でのライヴやそこで出会ったおもしろい人たちから受けた刺激をもとに、この1年で少しずつ曲を作り貯めて、それをライヴで繰り返していくうちに今回の曲が出来ていきました。だからこのアルバムでは、ソングライティングに重きを置いて、単純に良い曲を作りたかったんです」(BUKKABILLY、ドラムス)。

 ジャム・セッションをライヴ・レコーディングした前作に対して、本作では練り上げられた楽曲たちに驚かされる。

「曲をあえてバラけさせているつもりはないんですけど、やってみたら結構いろいろやれて。でも、そのすべてがDachamboだっていう形になっています」(EIJI、ベース)。

「このバンドのいちばんの強みは一体感だと思うんです。それはライヴだけでなく、曲を作る時の集中の度合いや、曲のイメージの膨らませ方にも持てるようになってきてる。そういう意味でいよいよブレがなくなってきましたね」(BUKKABILLY)。

 ライヴ巧者のジャム・バンドにとって永遠の課題であるレコーディング作品を、バンドの一体感で克服してみせた彼ら。この後に待っているのはオーディエンスと作り上げるさらなる昂揚感だ。虹色のバンドワゴンはふたたび旅へ……。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2006年10月19日 19:00

更新: 2006年10月19日 20:26

ソース: 『bounce』 280号(2006/9/25)

文/小野田 雄