インタビュー

Me First And The Gimme Gimmes

なんで今回はカントリーなのよ!? その答えを探るべくメンバーに直撃取材を敢行だい!


 ミー・ファースト・アンド・ザ・ギミ・ギミズはNOFXやラグワゴン、フー・ファイターズのメンバーから成るカヴァー専門のパンク・バンド。そもそも仲間内で楽しむために結成したというだけあって、遊び心しか持ち合わせていないようなふざけた軍団なのである。そんな彼らが5枚目となるニュー・アルバム『Love Their Country』をリリースした。これまでのアルバムでもミュージカル・ソングや60'sロック・ナンバー、R&Bヒッツに挑んできたわけだが、今作ではなんとカントリー・ミュージックをテーマに掲げている。

「カントリーを選んだ理由は、カントリーがいちばんパンクに近いと思ったからさ」(ファット・マイク、ベース)。

「それに演奏も簡単だしね!」(スパイク、ヴォーカル)。

〈うつろ〉とは無縁のジョニー・キャッシュ“Sunday Morning Coming Down”や、ピクニックにでも出掛けるかのような手軽さを装備したウィリー・ネルソン“Goodbye Earl”、哀愁感皆無のハンク・ウィリアムス“I'm So Lonesome I Could Cry”など、堅物なカントリー好きのおじさんなら泡を吹いて倒れてしまうであろう、全曲ギミギミ・マナーに則った愉快で痛快な疾走チューンがズラリと収録されている。

「カントリーは大嫌いなんだけど、周りのやつらは気に入ってるようだよ」(マイク)。

「でも、古いカントリーはパンクと大して変わらないと思うよ。カントリーがロカビリーやロックンロールの元になっているし、それらは初期のパンクに影響を与えているんだから。嘘だと思うなら、ニュー・ヨーク・ドールズやジョニー・サンダース&ザ・ハートブレイカーズを聴いてみなって」(スパイク)。

 というわけで、本作をきっかけにカントリー・デビューを果たす若者も数多く存在することだろう。そんなキッズに向けて、「(カントリーを嗜む際は)ピチピチのジーンズを履いて、ブーツはルーズに!」とマイクから一言。今シーズンの秋冬ファッションはコレでキマリだね!
▼ミー・ファースト・アンド・ザ・ギミ・ギミズの近作を紹介。

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掲載: 2006年11月02日 19:00

更新: 2006年11月02日 21:57

ソース: 『bounce』 281号(2006/10/25)

文/山西 絵美