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インタビュー

DOES

怒濤の勢いでメジャー・デビューを果たした3ピースの新星に注目!


〈ドーズ〉と読む。極めてシンプルで無骨だが、豊かな音楽性を秘めたバンド・サウンドを奏でる20代後半の九州男児3人組だ。あらゆる年代のロックを分け隔てなく聴き、理屈抜きでノレるリズム、カッコ良いリフ、胸を打つメロディー、というロックの快感原則をがっちり押さえた曲作りの巧さは、最近のデビュー組と比べてもズバ抜けているが、彼らが好んで語るのは、音楽用語よりもメンタル、つまり〈志〉の部分だ。

「〈情報が多すぎて細分化されている時代に、どうやったら本当に強い磁力を持つものが生まれるのか。自分を理解して、世の中について考えて、何が欲しいのか?〉を考えてるから、それが必然的に音に出てくるんだと思う。複雑な世の中だからこそ、わかりやすく、なおかつ深いものがほしい。音楽の根源にある素敵なものを、ロック・バンドというツールを使ってやりたいんです」(氏原ワタル、ヴォーカル/ギター)。

 そうした彼らの生き様が、そのまま刻み込まれたファースト・アルバム『NEWOLD』。いつの時代にも、若い魂を奮い立たせてきたロック・ミュージック。その伝統をまともに背負った温故知新っぷりが潔く、そして頼もしくもある。

「1曲1曲に個性があって、最初から最後まで新鮮に聴ける。生々しいアルバムだと思う」(森田ケーサク、ドラムス)。

「すごくリアル。昔あったような〈本当の音楽はこんな感じだっただろ?〉っていう感じ」(赤塚ヤスシ、ベース)。

 個人的な好みではあるが、良いラヴソングが多いのも嬉しい。コワモテっぽく見えるが、実は非常に繊細でロマンティック。音と言葉が一体となった感情の機微を、見事に表現した素晴らしい音楽だと思う。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2006年11月16日 22:00

ソース: 『bounce』 281号(2006/10/25)

文/宮本 英夫