インタビュー

ASIAN2

フロム信州、ナチュラル&リアルなミクスチャー・バンドが登場!


 ヤンチャだけど一本筋が通っていて頑固。軟派なようでいて硬派、かつ繊細。ASIAN2はいろんな表情を併せ持つミクスチャー・バンドだ。ロックやファンクをベースに、アグレッシヴなラップやメロウなコーラスを乗せたサウンドと、地に足の着いたリアルなリリックからは、男気と色気が匂い立つ。地元の長野県松本市で97年に結成され、後に信州のインディー・シーンを代表する存在にまで成長したのは、ハードコアやヒップホップのリスナーまでをも取り込んでいくフトコロの深さがあるからだろう。今回リリースされるファースト・フル・アルバム『five men I'amant』は、そんな彼らのベスト&ナウ的な作品だ。

「曲自体はインディー時代のもかなり入ってるんで、ある意味で集大成といってもいいし、リメイクとか新曲も入ってるからいまの俺たちの音でもあるんですよ」(micTATSU、ヴォーカル:以下同)。

 なかでも、戦争への不満や平和への願いを込めたシングル“遠く”はTVCMに起用されるなど、メジャーのフィールドらしい順風満帆の滑り出しといってもいいが、だからといって浮き足立つ様子もまるで見せないのが実にこのバンドらしい。

「“遠く”がいろんな場で評価されているのはもちろん嬉しいけど、自分たち的にはいろんな曲のなかのひとつ。〈コレが俺たち!〉というよりは、〈コレも俺たち〉っていう感じかな」。

 周りの状況に決して流されないマイペースっぷりは、大らかな長野人気質ってやつなのか。

「東京も嫌いじゃないけど、やっぱり松本のほうがリラックスできる。曲のアイデアも浮かびやすいしね」。 

 自分たちを〈信州松本ブランド〉と呼んで憚らない彼ら。今後、要注目のバンドであることは間違いない。

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掲載: 2006年11月30日 20:00

更新: 2006年11月30日 23:16

ソース: 『bounce』 282号(2006/11/25)

文/宗像 幸彦